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「えっ、いやどういう表情？嫌なの…？」
喜べとまでは言わないけどそんな苦い顔されるのもどうなのと思う。
Aが首を振る。
「……優太くんのこと脅して、…私、酷い？優太くんに無理やりそう言わせてる？」
「は？」
「優太くんがもし義務的に言ってくれてるんだとしたら、」
数分前までの、何ならここ数ヶ月間に渡って見せ続けていた押しの強さはどこへ行ったのか、途端に弱気になっていた。眉尻を下げて心配そうに俺の顔色を窺う。
…なんか。
なんというか。
「お前娘としてはいい子だけど女としてはめんどくさいな！？」
「ごめんなさ……、女として見たの？」
そこに真っ先に食いつくところがめんどくさい！
「見たよ！見てるよ！」
あぁもう。
半ばやけくそになって言った。
ずっと言い訳ばかりしてきたけれど。
「…罪悪感もあるけど、でも、他の男にくれてやるくらいならって思った。ここ最近でそれっぽいことは何度か思ってた」
認めたくないって思っていたけれど。
「それに、想像したし、色々」
「色々って何？」
「…色々だよ」
「……、色々」
「…だから、俺も十分おかしいんだもう。気遣う必要ねーよ。変態なんだよ」
言わなくていいのかもしれないところまで全部正直に曝け出した。
迫られたから、悲しませたくないからと無理をして合わせるわけじゃない。さすがにそんなことできるわけない。
普通に俺自身もう手遅れだった。
きょとんとした顔で聞いていたAの、口元が次第に緩んでいく。
一切余裕のない俺とは対照的な愉しげな表情。
「そっか、変態なんだ…」
「喜ぶなバカ」
前髪を捲り上げてデコピンした。
おでこを押さえて痛そうにしながらも、締まりのない顔でへらっと笑う。おかしな奴。
「そっかぁ」
小さく呟く声から、嬉しい気持ちが溢れているように聞こえて。
バカなんて言ったけどそれは、ちょっと、なかなか可愛いと思った。
Aが胸に飛び込んでくる。
巻き付く細い腕にぎゅうぎゅうと締められる。
胸の中で微かに鼻を啜る音が聞こえて、シャツにじわりと温かいものが滲む感覚。
上げた顔は、目の端に涙を浮かべていても嬉しそうだった。
そわそわと、心臓を擽られるような変な気分になる。
変な気分にはなるけど。
ただ、何はともあれ。
「言っとくけど手は出さないからな。ハタチになるまで」
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小袖(プロフ) - 良すぎてぶるキュンしました😭どの作品もとても読みやすくて、心情や情景の書き方もとても上手でほんとに素敵です！続きが気になります！ (2022年6月29日 17時) (
レス) id: 086580d8cf (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 更新嬉しいです！新しい岸くんと娘ちゃんの形、ドキドキします！これからも楽しみにしてます。 (2020年11月24日 0時) (レス) id: 13ab7dce5a (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 更新楽しみにしてました！岸くんの変化にキュンキュンです！何度も何度も読み返したくなる素敵な作品。2人がラブラブになるの楽しみにしてます！ (2020年11月18日 20時) (レス) id: 5ef92e91e3 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - 更新ありがとうございます！待ってました！はぁ…すごく嬉しいです。幸せな岸君と娘ちゃんに、嬉しくて、なんだかくすぐったいような…。幸せのお裾分けをいただいています。2人が恋人になる日が待ち遠しいです。 (2020年11月18日 18時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - ついに！ついに岸くんが！！！わぁー、やっとですか！でもそんなに我慢できる！？はやく求めてほしいな…続きも楽しみにしています♪ (2020年9月30日 7時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎ
| 作成日時：2019年11月11日 19時
