対峙 篇 ー28歳と17歳ー ページ29
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「Aさんとお付き合いしたいと思っています！」
自分の人生にこんな日が、こんな早くに訪れるなんて思ってもみなかった。グループで最年長だからって何かとじじい扱いされがちだけど俺まだ20代だし。いくら何でも娘さんを僕にください的なこの手のイベントはまだ早すぎる。Aにとってもだ。
どういう出方をすべきかと戸惑って、普通にお茶なんか出してしまった。それに手を付けるよりも先に、�盒桐ヅ佑�んは本題を口にした。
もとが濃い顔立ちをしているのに、あんまり真剣な目をして見つめてくるもんだから圧がすごかった。思わず顔を背けたくなるし返答にも困る。
立場としては「帰れ」って追い返してもいいもんだろうか。いやでも、この間みたいな大人げない態度をとって後から反省するのも自分だし。
「Aさんには俺の他に好きな人がいるみたいなんですけど、どうにも上手くいきそうにないらしくて！」
「……」
「Aさんのこと、その人が幸せにしてくれないんだったら、俺がしたいって思ってて！」
「……」
「まずは、お父さんのお許しを頂きにきました！」
真正面から飛んでくる、当てつけのようにも聞こえる言い様。なんだこいつ…と思いながら内心焦っていた。
Aはどこまで、どう、この同級生に話してるんだろうか。
もしAが俺との間に起こったことの全てを話していたとして、そのうえでこうして言ってきてるんだとしたら相当おかしな奴だと思う。相当、Aのことを好きなのかとも思う。
「……本人はどう思ってるの」
「優太くんがいいって言うならいいかなと」
「なんだよそれ…」
Aは無愛想に即答した。
なんだそれは。なんで俺に委ねる。
いやまぁ許可なく好き放題にされるのもそれはそれで困るけど。
しかし、そう思えば付き合い始める前のその段階で保護者の許しを得にくるなんてこのくらいの歳の男にしては誠実な、ちゃんとした考えを持った子なのかもしれない。
一貫して、意思のある真っ直ぐな目をしていた。
嫁にくれ、と言われてるわけでもないし。
相手さえまともな奴なら身の回りの同世代の男と普通に恋愛してくれた方がいいって、そんな風にも思っていたし。
俺なんかを好きでいられるよりはその方がずっと、って。
「お許しいただけるなら、明日はAさんとデートに行って初めて手を繋ぎたいと思ってます！」
「は？」
かと思えば、話はおかしな方向に向かっていた。
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小袖(プロフ) - 良すぎてぶるキュンしました😭どの作品もとても読みやすくて、心情や情景の書き方もとても上手でほんとに素敵です！続きが気になります！ (2022年6月29日 17時) (
レス) id: 086580d8cf (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 更新嬉しいです！新しい岸くんと娘ちゃんの形、ドキドキします！これからも楽しみにしてます。 (2020年11月24日 0時) (レス) id: 13ab7dce5a (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 更新楽しみにしてました！岸くんの変化にキュンキュンです！何度も何度も読み返したくなる素敵な作品。2人がラブラブになるの楽しみにしてます！ (2020年11月18日 20時) (レス) id: 5ef92e91e3 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - 更新ありがとうございます！待ってました！はぁ…すごく嬉しいです。幸せな岸君と娘ちゃんに、嬉しくて、なんだかくすぐったいような…。幸せのお裾分けをいただいています。2人が恋人になる日が待ち遠しいです。 (2020年11月18日 18時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - ついに！ついに岸くんが！！！わぁー、やっとですか！でもそんなに我慢できる！？はやく求めてほしいな…続きも楽しみにしています♪ (2020年9月30日 7時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎ
| 作成日時：2019年11月11日 19時
