同級生 篇 2 ページ25
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朝からクラスの女子の一部が妙に浮立っていた。
SHRが終わるなり近くに集まって、何だか知らんけど顔を見合わせて笑う。欠伸しながらそれを横目に見ていた。
「見た？見た！？」
「見た…！やっっっばくなかった…？」
「あ、平野担のくせに！担降りしようとしてる！」
「いやだって…あれは岸くんずるいわぁ〜」
話題に上ったその名前に、全く関係のない俺が思わず反応してしまった。
男性アイドルに興味があるわけじゃない。
好きな人の、好きな人だからだった。
けれどそれを気にしたのは俺一人ではないんだと思う。左斜め前の席の肩が微かに揺れた気がした。
そうしてAちゃんは鞄の中からコンビニのビニール袋を取り出し、そこに入っていたメロンパンに齧りついていた。早弁なんて珍しい。
女子たちがAちゃんの席の周りに集まる。
「A見た？岸くんのドラマ」
「見た」
「やばくなかった？」
「別に」
低めの声でぞんざいに、一言、そう返した。
今、クラスの女子がはしゃいでいる”岸くんのドラマ”が、どんなものであるかは俺にも分かっていた。男性アイドルに興味があるわけじゃないけれど、ファミレスであの人に会った日から何となくその情報を追うようになってしまっていたのだ。
一応、ライバルだし。同じ土俵には全く上がれていないけれど。
何というかまぁ、そこそこ、すごかった。
お母さんと一緒にリビングで見るのがいたたまれないから昨日の夜は自分の部屋で一人見逃し配信で見たくらいだ。
「あの人普段お笑いキャラみたいな感じでしょ。ああいう恋愛ものやられても微妙」
友人たちが黄色い声を上げて騒いでいる対象の、そのアイドル本人と一緒に暮らしていることなんて微塵も匂わせることなくAちゃんは淡々とそう言い放った。
平気なもんなんだろうか。
「えー！そのギャップがいいんじゃん！」
「Aはアイドルとか興味ないもんね」
「……」
俺の席から見えるのは後ろ姿だけで、Aちゃんのその表情は分からない。
黙々とメロンパンを齧り続ける彼女に、隣の女子は「朝ごはん食べてこなかったの？」と尋ねる。「食べたよ」と返す。
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小袖(プロフ) - 良すぎてぶるキュンしました😭どの作品もとても読みやすくて、心情や情景の書き方もとても上手でほんとに素敵です！続きが気になります！ (2022年6月29日 17時) (
レス) id: 086580d8cf (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 更新嬉しいです！新しい岸くんと娘ちゃんの形、ドキドキします！これからも楽しみにしてます。 (2020年11月24日 0時) (レス) id: 13ab7dce5a (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 更新楽しみにしてました！岸くんの変化にキュンキュンです！何度も何度も読み返したくなる素敵な作品。2人がラブラブになるの楽しみにしてます！ (2020年11月18日 20時) (レス) id: 5ef92e91e3 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - 更新ありがとうございます！待ってました！はぁ…すごく嬉しいです。幸せな岸君と娘ちゃんに、嬉しくて、なんだかくすぐったいような…。幸せのお裾分けをいただいています。2人が恋人になる日が待ち遠しいです。 (2020年11月18日 18時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - ついに！ついに岸くんが！！！わぁー、やっとですか！でもそんなに我慢できる！？はやく求めてほしいな…続きも楽しみにしています♪ (2020年9月30日 7時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎ
| 作成日時：2019年11月11日 19時
