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「え、っと、」
「一年の頃から好きです。ずっと」
机の上に置いていた右腕の、手首を掴まれる。
「え、えぇぇぇぇ…？」
あまりに唐突で訳の分からない展開に、間抜けな声で素直に驚いた。
流れからして彼の言う”好き”とは、教師としてだとか人としてだとかそういうことではないんだろう。
例えば、相手が例えば橋本涼ならば、この手を振り払って速攻立ち上がり教室を出て行った。直近で同じようなことを言ってきた作間くんのことだって今もまだその真意を疑っている。
これも、嘘や冗談の類だって思いたいけれど。
けれど浮所くんはきっとちがう。
そんな悪質な冗談を好むような性格ではないし、何かを企んだりするなんて想像もできないくらい明るくて優しい子だから。その優しさの中に特別な感情があっただとかそんなことには本当にこれっぽっちも気付いていなかったけれど、でも、向けられた真剣な眼差しには今、できる限り誠実に向き合わなければならない気がした。
「…えっと、あの、浮所くんのこと、優しくて素敵な子だって思ってるし、いつも色々と気にかけてもらっていて本当にありがたく思ってるけど、」
「……」
「先生だから…、生徒のことはそういうふうに見れないよ」
立場上間違いがないようにと、言葉を選んで、慎重に私がそう話す間浮所くんは何も言わない。
無言のまま掴んだ腕も放してもらえていなかった。何だろうと、違和感を感じるのと同時に腕を握る手に込められた力が強くなる。
その手と反対側の手が顔の方へ伸びてきて、浮所くんが机越しに身を乗り出して。
それらの挙動を認識した次の瞬間には、よりいっそう訳の分からないことが起きていた。
強い力で引き寄せられ、押し当てられた唇。
頭が真っ白になった。
「っ、何、」
咄嗟に離れて立ち上がる。
けれど腕が掴まれたまま。
浮所くんも席を立って間に挟んだ机を回り込み、後退りしようとしていた私の正面に立つ。
距離を詰められる。
壁際に追いやられて、見下ろされて、
「作間だって生徒じゃん」
冷ややかな棘を含んだ、低い声でそう言った。
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よぴ(プロフ) - パスワード教えていただきたいです（ ; ; ） (2022年1月17日 19時) (
レス) id: 5c59f9ee59 (このIDを非表示/違反報告)
いち - パスワード教えてください⁉️ (2021年9月28日 13時) (レス) id: 358f9d64ec (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - こむぎさんの作品いつも楽しく読ませていただいています。この作品を最初から読みたいのですがパスワードを教えていただくことはできますか？ (2021年5月5日 2時) (レス) id: 3b72a96203 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - どの作品も大好きです！いつもキュンキュンしながら読ませて頂いています。これからも楽しみにしています。 (2020年5月3日 21時) (レス) id: e6fd1d12b5 (このIDを非表示/違反報告)
陽依(プロフ) - 切なくて切なくて、涙が出てきました。このお話大好きです。これからも楽しみにしています。 (2020年5月3日 19時) (レス) id: 5f72745e3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎ
| 作成日時：2019年7月21日 14時
