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立ち上がり、浮所くんは私に向かって頭を下げた。
「本当にごめんなさい。謝っても許されないことをしました」
「頭上げて、…あの、私も」
「作間にも謝ります」
深いお辞儀を、言っても止めてくれない。
そりゃ喧嘩のことは浮所くんも作間くんもお互いがお互いに対して謝ってほしいけれど。私とのことで浮所くんが作間くんに謝る必要はないし、浮所くんだけが悪いということだってない。先生だって普通に誰かを好きになったりはするだろうけれど16の教え子を好きになるのは普通じゃないし、いやそもそも好きになってはいないんだけれど仮に好きになったとしても校内であんなことをするのは咎められて然るべきことだ。普通に。
いつも人懐っこく愛らしい彼の、その表情を覆ったままの翳りに少なからず胸が痛む。
何かの間違いで私なんかのことを好きになってしまった、かわいそうな子。
受け入れてあげることもできないのに、元の通りの彼に戻ってほしいなんてそんな風に思うのはやっぱり無神経で、独善的だ。
「……林間学校、来てくれてありがとう」
けれど、行きたくなかっただろうに頑張って来てくれたこと、よかったと思う。私が言ったからではないだろうけれど、でもそれは嬉しかった。
何かの間違いみたいな恋愛感情に、私にどうにかできることは何もないのかもしれないけれど友人や同世代の女子生徒との思い出がきっと忘れさせてくれるはずだ。
私の言葉に浮所くんはようやく顔を上げた。
じっと目を見て、時間が止まったようにそのままでいる。すとん、と力のない音でパイプ椅子に腰掛けた。
唇を浅く噛んで、なぜだか、その目の中の水分がじわりと増えていくように見えた。
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よぴ(プロフ) - パスワード教えていただきたいです（ ; ; ） (2022年1月17日 19時) (
レス) id: 5c59f9ee59 (このIDを非表示/違反報告)
いち - パスワード教えてください⁉️ (2021年9月28日 13時) (レス) id: 358f9d64ec (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - こむぎさんの作品いつも楽しく読ませていただいています。この作品を最初から読みたいのですがパスワードを教えていただくことはできますか？ (2021年5月5日 2時) (レス) id: 3b72a96203 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - どの作品も大好きです！いつもキュンキュンしながら読ませて頂いています。これからも楽しみにしています。 (2020年5月3日 21時) (レス) id: e6fd1d12b5 (このIDを非表示/違反報告)
陽依(プロフ) - 切なくて切なくて、涙が出てきました。このお話大好きです。これからも楽しみにしています。 (2020年5月3日 19時) (レス) id: 5f72745e3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎ
| 作成日時：2019年7月21日 14時
