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林間学校初日の朝、バスを待つ生徒の列の中に浮所くんを見つけて安心した。
周囲の友人と笑い合う彼は普段通りに見える。
決して声をかけたりはしないけれど遠目に眺め、「来てくれてありがとう」と心の内でお礼を言った。とりあえず、よかった、と。
そう思っていた。その日の午前中までは。
宿泊所から上った先の山頂部で昼食をとり、その後の休み時間。
ひどく慌てた様子で駆けてきた女子生徒が私を見つけて「先生！」と声を張り上げる。今すぐに来てほしいと、腕を引っ張られるまま一緒に走っていった。
喧嘩だという。
彼女たちに付いて走りながら、熱心な教育者でない私は、こういう非日常なイベントの中だと高校生の年齢でも喧嘩なんてあるんだなぁとか、私が行って何かできるだろうかとか、ていうかめちゃくちゃめんどくさいなとか、そんなことを呑気に思う。
男子生徒二人の名前を聞いてその場に倒れそうになった。
連れられた先、このところの悩みの種であった二人が揃っていた。
地面に座り込み口元の血を拭う浮所くんと、立ったままそれを見下ろす作間くんの背中。
明らかに、この争いの原因は私にあった。
眩暈がする。けれどそんな場合でないことにすぐ気がついた。
今度は立ち上がった浮所くんが作間くんの胸ぐらを掴もうとしたからだ。
「ちょっ待てって！」
「おい作間落ち着け」
咄嗟のことに動けずにいた私の脇から、那須くんと猪狩くんがほぼ同時のタイミングで二人を抑える。なおも睨み合う二人のうち、より敵意を剥き出しにしているのは作間くんの方に見えた。
逃げ出したくなる頭に、これは仕事だと言って聞かせる。この場を収めなければいけない。ひとまずは午後のオリエンテーションが始まるからと、周りを囲んでいたギャラリーを散らせた。
作間くんと浮所くん、それから那須くんと猪狩くんだけがその場に残る。
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よぴ(プロフ) - パスワード教えていただきたいです（ ; ; ） (2022年1月17日 19時) (
レス) id: 5c59f9ee59 (このIDを非表示/違反報告)
いち - パスワード教えてください⁉️ (2021年9月28日 13時) (レス) id: 358f9d64ec (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - こむぎさんの作品いつも楽しく読ませていただいています。この作品を最初から読みたいのですがパスワードを教えていただくことはできますか？ (2021年5月5日 2時) (レス) id: 3b72a96203 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - どの作品も大好きです！いつもキュンキュンしながら読ませて頂いています。これからも楽しみにしています。 (2020年5月3日 21時) (レス) id: e6fd1d12b5 (このIDを非表示/違反報告)
陽依(プロフ) - 切なくて切なくて、涙が出てきました。このお話大好きです。これからも楽しみにしています。 (2020年5月3日 19時) (レス) id: 5f72745e3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎ
| 作成日時：2019年7月21日 14時
