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私の負けだ。言葉としては最後まで認めなかったもののそれ以外のあらゆるもので表してしまっていた。まだ高校二年生の彼を、自分の学校の生徒である彼を、男の人として意識してしまっていたこと。
そのことが分かった今作間くんは私に何と言うのだろうと、それを考えて怖かった。これから先私は彼からどんなひどい要求をされるのだろう、と。
そう思っていたのに。
「ごめんなさい」
作間くんが発した言葉は予期せぬものだった。
「間違えたのかもしれないです。改めようと思います」
人を食ったような飄々とした態度も、煽るような言葉も、こちらの退路を断つような空気も今は全て無く。
しゅんとして、目を伏せて。
間違えた、って。
「……何を？」
「Aさんを落とすための手順」
そう、即答する。
これまでにも何度か思ったことだけれどこうして私にはだいぶ理解しがたいようなことを迷いなく口にする。やはり彼の中には常に彼なりの理屈があるのだろう。
「えっと…、何かその、戦略的に行われてたものだったんですか…？」
「そのつもりでした。でも、間違いでした」
「…はぁ、」
「反省してます。改めます」
布団の上の私の脇で正座をして、潔く非を認めると頭を下げた。
あの非常識な内容の駆け引きは私を落とすためのものだったと。けれど、今はそれを”間違えた”とそう思って、反省していると。
理解しがたい。
「どういう、」
もう少し分かるように教えてほしくて、尋ねた瞬間に再び視線がぶつかる。
「Aさんの部屋で過ごした夜、」と作間くんが口を開く。
「あの夜のAさんは、素直で、切実で、…多分、本物の言葉で話してくれてました。だから肉体的に陥落させるのが一番近道なのかなって」
「にくた…、」
思わず言い淀んだ。真面目な顔をして随分恐ろしいことを口にするものだから。いや本当、どんな高校生だ。
彼と関係を持ってしまった夜。
最中の記憶が断片的にあるのみで、何をきっかけにしてそうなってしまったのか、自分が彼にどんな言葉や態度を向けたのか肝心なところが思い出せない。
本物の言葉って、何だろう。
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よぴ(プロフ) - パスワード教えていただきたいです（ ; ; ） (2022年1月17日 19時) (
レス) id: 5c59f9ee59 (このIDを非表示/違反報告)
いち - パスワード教えてください⁉️ (2021年9月28日 13時) (レス) id: 358f9d64ec (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - こむぎさんの作品いつも楽しく読ませていただいています。この作品を最初から読みたいのですがパスワードを教えていただくことはできますか？ (2021年5月5日 2時) (レス) id: 3b72a96203 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - どの作品も大好きです！いつもキュンキュンしながら読ませて頂いています。これからも楽しみにしています。 (2020年5月3日 21時) (レス) id: e6fd1d12b5 (このIDを非表示/違反報告)
陽依(プロフ) - 切なくて切なくて、涙が出てきました。このお話大好きです。これからも楽しみにしています。 (2020年5月3日 19時) (レス) id: 5f72745e3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎ
| 作成日時：2019年7月21日 14時
