baby I love you

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週に一度の休演日、美容院を予約していた。
夕飯は俺が用意することにしたし、今日は家のことはしなくていいと言ってあったけれどAの返事は適当で、俺の出際にも普段通りの様子でリビングに掃除機をかけていた。
普段通り。表情も態度も言うことも普段通りではあったし顔や背格好だって当たり前に昨日と何も変わらなかったけれど何だか、何か、どこかが違って見えてしまう。



心配しすぎるのも、それはそれでデリカシーとやらに欠けるんだろうか。
女親の代わりにだってならなくてはいけないけれど、そうは言っても俺は男なのだからこういうことに関してはあまり気にかけすぎても嫌な気持ちにさせるのかもしれない。難しい。難しいなぁと、カットの最中に考え込んでいると気づけばいつの間にか予定よりもだいぶ髪が短くなってしまっていた。ミスった。






昼過ぎに家に帰るとリビングもキッチンも電気がついていなかった。玄関に靴が置かれていたからどこかに出かけてはいないはずで、部屋のドアをノックする。返事がないからそっと開けて中を覗くと、Aはベッドにいた。



「…A？大丈夫？」



「んー」と返ってくる、唸るような低い声が明らかに大丈夫そうではなくてハッとする。さっき出かける時には平気そうだったのに。



「お腹、痛い……」



こ、これは。



「え、うそ、マジで」



これは、所謂、生理痛というやつか。
未知の世界すぎて本気でどうしたらいいか分からない。その場で硬直し、それから右往左往する。



「びょ、病院いくか…！？あ、こういう場合って病院とか行く！？普通行かない！？」
「多分…行かない……」
「そうだよな！？え、何！？トイレ行って治まるとかじゃないもんな！？」
「優太くん落ち着いて…」
「っお、落ち着いて…、ないな！うん！ごめん！」
「…頭痛薬とかあるかな。なんかそういうの飲む…らしい…」



頭痛薬。
そうだ頭痛薬…！
急いでキッチンに戻り常備薬やらが入った引き出しを漁る。すぐに見つけたけれど箱の裏面には15歳未満は飲むなとそう書いてあった。考える間もなく、財布を持って外に飛び出した。





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