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「さすがにトリプルは強いね」
「ダブルじゃダメだったので。今回はうまくいってよかったです」
Aちゃんはまだくすくす笑っている。
「それじゃあ、A。匠海にチョコを渡してください」
進行の柾哉くんに促されて、きちんとふたりで向き合う。目が合うとなんとなく照れくさい。
「はい。匠海、いつもありがと。MATCHトリプルな仲を深めましょう」
「ありがとうございます！」
ぎゅっとハグしてから顔を覗くと、はにかんでいるAちゃんのほっぺたはほんのり赤い。俺もうっかり頬に熱が上ってきそうだ。
「ちっくしょー！」
迅がガヤ入れてくれて助かった。
「バレンタインってほんま素敵なイベントですね！」
「匠海ー」
収録が終わって、Aちゃんに呼び止められた。
「どうしたの？」
「いっしょ写真撮ろ」
カメラロールを確認する満足げな彼女は笑う。
「みんなフィジってたけど、匠海大丈夫だった？」
Aちゃんが思っている以上にあのゲームはみんな本気だったのだけれど、たぶんわかってへんよなあとヘラリと笑っておく。
「ね、Aちゃん。ひとつお願いあるんですけど」
「なーに？」
「今度休み合う日、俺とお出かけしません？」
「そんなあらたまってどうしたの？ いいよ」
デートじゃん、とにこにこしている。その姿に俺も嬉しくなる。
「MATCHトリプルな仲やからね」
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作者名：co | 作成日時：2023年11月28日 1時
