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「Aちゃんすごくない？」
たじの順番の間、隣に来た大夢が小さく拍手をくれた。
「ポーズなんとなくでも決めた？」
「うん。たじくん次第だけど」
まあ見てて。得意げに機械に向かっていく。
「これ難易度高くない？」
「ゲーム性は大事だから！」
小走りで戻った大夢はケラケラと笑う。なぜそのポーズ！ 重心も片方によってるし、これは威尊難しいだろう。……あ、やっぱり落ちた。
三回目も即失敗。どうしてこうもあっという間にゲームが終わってしまうのか。京ちゃん全然柾哉くんの教訓活かせてないし、そもそも匠海のポーズおかしいし、画面の動きはおもしろいし。
「Aちゃんめっちゃ笑うやん」
「迅〜笑いすぎて苦しいし若干おなかいたい」
「重症！」
そんな迅は大きく口を開けて、誰よりゲラゲラと笑っている。俺も正直苦しいわ、という彼は笑いすぎて涙を流しそうになっていた。
スタッフさんの優しさによる泣きの一回。
土台のはずの雄大がもう既におかしい。しんどい。おなかいたい。やめてほしい。
「もう終わったわ」
言いながら威尊は背中をさすってくれる。
「Aちゃんツボ入っとる」
「くるしい〜」
「ゼーゼー言っとるやん」
「なんかもう全部がおもろい」
「わかる」
雄大が信頼と期待を寄せた(？)理人が柔軟性高いポーズで成功するのも、直後で迅が失敗するのも全部がツボに入って、わたしはもうダメかもしれない。
スタッフさんの甘さによる泣きの二回目、絶対成功させようぜ！ と取った作戦は寝そべりだった。さすがにこれで失敗したらINI、このゲーム下手すぎる。
「安定感すご！」
「これ行けるんちゃう？」
京ちゃんから始まって、今度は順調に積み上がっていく。
「いつもありがとう、MINIのことすいとーよ♡」
戻ってくるとメンバー一同胸を押さえていた。
「え……なに……？」
「博多弁は反則よ」
「あの、柾哉くん。ニコニコしすぎて怖いです」
「後で俺にも言って、すいとーよ♡」
「えぇ……」
「俺をMINIだと思って」
「ちょっと意味わかんないですね」
最後、満を持して登場したのは匠海だった。ヒーロー！ の声に相応しく、片手を上に掲げて仁王立ちポーズ。それでもなんだか優しさや可愛らしさが漂うのが匠海らしい。
「あーーーー！！！！！」
バラエティとしては大正解が出て、わたしたちの『ホリデー』は終わった。
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作者名：co | 作成日時：2023年11月28日 1時
