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うーん、と小さく声がする。
「おれ、ねてた……？」
「あ、しまった。起こしちゃった？」
「いや……もうおきる…………、」
まだ洸人の脳は動いてない。なんなら目も開けられていない。
「西くんおはよー」
「はよ、洸人」
「ん？ 理人に雄大……？ 戻ってきたのか」
目を擦りつつ少しずつ状況を把握しているようだ。
「ひろくん眠れた？」
「うん。俺どのくらい寝てた？」
「二十分ちょっとかな。まだ寝とく？ 寝れるうちに」
「大丈夫。頭すっきりした、Aありがと」
身体を起こした本人が言う通りすっきりしたのか幾分顔色がいい。
「ちょっとお兄さん、」
「ん？」
「どんな徳積んだらこんな素敵な膝枕体験ができるわけ？」
「しかも西くんぐっすり寝てたやん」
「いや〜寝るつもりはなかったんだけど。気づいたら気持ちよく寝てたわ……びっくりした」
「なんそれ！！」
「羨ましいにも程があるんやけど！！！」
「それな！！」
俺たちの兄ちゃんはいいだろうと言わんばかりにドヤ顔をしているが、お姉ちゃんの方はは三人まとめて呆れた顔を向けていた。
「揃ってなにやってんの」
「だって〜」
「西くん羨ましすぎる」
「そんないいもの……？ ただ寝てただけでしょ」
「Aちゃんの膝枕ってとこがポイントなんよ」
「Aちゃんやっぱりわかってないなあ」
「なー、Aはわかってないなー」
「みんなしてなんなの……いやほんとわかんないなあ」
本気でうちのメンバーの考えてることがわからん、と渋い顔をしているAちゃんに俺たちはニヤニヤが止められない。
「ま、わかんなくてもいいよ」
「なんでー」
「そのうちわかってくれるかもだし」
Aちゃん。Aちゃんが思ってる以上に俺たちはAちゃんのことが好きなんだよ。
早くわかってくれる日がくるといいけど。
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作者名：co | 作成日時：2023年11月28日 1時
