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なにそれ。死ぬほど羨ましい。
色白の顔に浮かぶクッキリ濃い隈を頑張ってるなあと尊敬の念で見ている。しかし今それ以上に思うのは、やりよったな！！ の気持ちである。
「なんかもう目の下の真っ青なのすごいし。ここのとこずっとメイクで隠してるし。……心配だったんだよね。あと寝不足だと頭回らなくなるでしょ？ だからちょっと仮眠取るだけでまた違うかもよって言ったの」
膝の提供者は至ってのほほんとしていた。そして手持ち無沙汰なのか、その間にも明るい金の髪は撫でられたり、手櫛で梳かれたりしている。子供をあやすような、やさしい手つき。
「そんなん言われたらもう仕方ないやん……。西くん頑張っとるご褒美やもん」
「膝枕したくらいで何言ってんの」
「Aちゃんさー。これ俺たちとか他のメンバーでもやってくれてた？」
「ん？ するよ？」
俺の質問に答えつつ、でもみんな今は別に必要ないでしょと続くお言葉はつれない。
「Aちゃんの膝枕とかめっちゃ安眠できそうやん」
「メンバーで一番やわらかいだろうね。不本意だけど」
「…………」
思わず俺たちはそのふとももの甘美なやわらかさを想像して黙り込む。その様子を見つつ、怪訝な顔をして彼女は呟いた。
「……？？ なに？ どしたの……？」
「いや俺、Aちゃんの膝枕とか緊張してたぶん寝れん」
「俺も……寝られへん気がしてきた」
「そう思うとすげえな洸人」
「な。西くんすごいわ」
Aちゃんは理解できないといった顔をしている。
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作者名：co | 作成日時：2023年11月28日 1時
