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目の前の背の高い彼はあからさまに肩を落とした。
「ええ……？ 即答……？ 俺たち、タメだよ？？」
「先輩ですもん」
「えー、けーごくんって呼んでよー。タメ口でいいんだよー同い年だよ？」
「それやったら俺も純喜くんがいい」
「俺も俺も！ 名前呼びがいいです！ 何ならAさんの方が年上だし、タメ口でも大丈夫！」
木全さんの言葉にとんでもない！！ と手を左右に振りながらお断りしようとすると、それまで言葉少なにしていた鶴房さんが言う。
「俺もそっちがええな」
俺も、俺もと川西さん、金城さんも笑みを浮かべてこちらを伺っていた。
「さすがに先輩にタメ口はどうでしょう……」
「まあ、それは追々慣れてもらうってことで。あんまり言ってもAちゃん困らせちゃうしね」
鶴の一声。さすがのリーダーの風格で與那城さんがその場を収めてくれた。川尻さんが言葉を続ける。
「Aちゃんさえよければなんやけど。俺たちのこと、名前で呼んでくれん？ その方がうれしい」
「皆さんがよければ」
「じゃあ、こっちからね？ いくよ」
佐藤さんが指で示したメンバーの名前を呼んでいく。
「拓実くん、汐恩くん、瑠姫くん、蓮…さん、けーごくん、碧海くん、奨…さん、翔也くん、祥生くん、純喜くん、……豆さん！」
最後に呼ばれた『豆さん』こと、豆原さんは鳩が豆鉄砲食らったような顔を一瞬だけ浮かべ、その後花開くようにはにかんだ。先輩だけどその表情がとてもかわいくて、こういうところはやっぱり歳下だ〜と微笑ましい気持ちになる。
「うん、それ、いいです」
「豆さん」
「はい。……Aさん」
「はい。豆さん」
「Aさん」
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作者名：co | 作成日時：2023年11月28日 1時
