それじゃまた ページ24
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プラメ用のセルカを探してスマホを弄っていたら、テーブルを挟んで真向かいに座る匠海がぽつりと呟いた。彼もまたスマホに目を落としている。
「Aちゃんの文章好きやなあ」
「んん？ 急にどしたの」
「毎回最後に『それじゃまた』って添えてるやん。あれいいなって」
「あー……いつも書いてるね」
ブログもプラメも親しい友人に宛てて書く手紙のつもりで書いている。学生時代、先生に隠れてひっそり回した手紙のような親密さをそこに込めて、最後に『それじゃまた』といつも書いてしまう。
「なんかさー、いいんよね……。次の約束してるみたいで」
匠海は話しながら思考の海に漂っているのか、普段よりほわほわとした口調だ。
「一方的だけどね」
思わぬところを褒められて気恥ずかしい。肩をすくめていると、パッと顔を上げた匠海と目が合った。
「それでも。俺はうれしいなあと思うんですよ」
やくそく。今度はひらがなの丸い響きで繰り返される。
「いつでも気にかけてくれてるんやな〜って思える」
思いの外、目の前の彼は真面目な顔をしていた。
「Aちゃんのことを好きで、応援しとる人はしあわせやな〜って、思う」
「……ありがと」
わたしの返事に匠海は満足げな表情を見せて、またスマホに目を落としている。
「そんなとこ見てるとは思わなかった」
んんー、またほわほわとした返事。彼は彼の作業をしているようなので、この話題はこれでおしまいなんだろう。自分もカメラロールに目を戻す。
「こっち見て、たくみ」
「ん……、あ？ やられた！」
添付するにいい写真が見当たらなかったので今撮っちゃえばいいかと思い、匠海にもご協力いただくことにした。
「お、さすがキラキラアイドルですねー。油断しててもいいお顔をされてます」
「もー、Aちゃんビックリするやん！」
「ごめんごめん、ちゃんと撮ろ」
もう〜、と言いながらこっちを見ている匠海は笑っている。もう一枚。匠海とチェックする。
「……前に迅がさ、自分と一緒にひろくんをこっそり写して『ひーくんと遊ぼ』やってたじゃない？ あれかわいかったからオマージュ。『たっくんと遊ぼ』」
「なんそれ！ 謎にうれしいけど」
「『たっくんこっちみて！』」
「ああ〜〜、なんかめっちゃ恥ずかしい……。なんでAちゃんそんな楽しそうなん？」
「え、普通にこれ楽しいでしょ。照れちゃう匠海かわいいし」
「もう、ほんとヤメテ。真面目に恥ずかしい。……そうだ、Aちゃん見て見てー」
「ん？」
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作者名：co | 作成日時：2023年11月28日 1時
