6.こんにちは、自殺嗜癖様。 ページ6
「げほっけほ…」
「大丈夫？」
当たり前であるがびしょ濡れである成人男性を引っ張ってきたこれまたびしょ濡れである中島敦に労いとは言え無い建前を述べる。
「人ぉ………？」
「人だね…。」
小説は現実より奇なりと言うが。現実の方が奇妙なのかもしれないと思ってしまう。容姿端麗なそいつをただ呆然と2人して見ていた。
「うぉっ」
突如として目を開き、何事もなかったかの様に立ち上がるびしょ濡れの容姿端麗男。
「あ、あんた川に流されてて……大丈夫？」
水没していた男が言う。
「＿＿＿＿助かったか………………ちぇっ」
(「ちぇっ」つったかこの人？！)
「助けてやったのに何様だろうか…」
「君に関しては何もしてないけど？！」
「君達かい、私の入水を邪魔したのは」
「邪魔なんて僕はただ助けようと＿＿入水？」
「私は何もしていない。」
敦は恨めしそうな視線を詞葉に一瞥をくれた後、意味がわからないと言う風に男を見た。詞葉も同じくだった。
「知らんかね、入水。つまりジサツだよ。」
「は？」
「にしては軽いノリだな…」
「私はジサツしようとしていたのだが。それを君達が余計なことを＿＿＿」
「は、はぁ。」
「私は何も。」
敦は困ったような呆れたような視線をくれている。変人が多いと。困った。その間にもその男はぶつぶつと不満を述べていた。
「まぁ……人に迷惑をかけない清くクリーンなジサツが私の信条だ。」
「は？」
「だのに君達に迷惑をかけた、これは此方の落ち度。何かお詫びを＿＿＿＿」
ぐううぅぅう
さっと腹を両手でおおう様にした敦の腹の音は響き渡るほど莫大だった。それに対してくすくすと笑う男。有り得ない物を見た視線の詞葉。
気不味い。
「空腹かい？少年。」
「実は…ここ数日間何も食べてなくて…」
ぐううぅぅぅうう
詞葉は有り得ないと言うような目を今度は男に向けた。
「私もだ。因みに財布もさっき流された。」
「ええ…助けたお礼に御馳走っていう流れだと思ったのに…」
「仕方無い。頑張れ。」
「？」
「「？」じゃねぇよ！」
変人が一人混ざると一人が苦労する。2人になると2人が苦労する。
「おぉい！」
「ん…？」
苦労する予定、もうしている2人目の苦労人が向こう岸から叫んでいた。
「こんな所におったか唐変木！」
腕を組んで不機嫌に仁王立ちする眼鏡の男にびしょ濡れ容姿端麗は軽い様子で返した。
「おー。国木田くん。ご苦労様。」
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なしりんご(プロフ) - こころさん» ありがとうございます！！少し遅くなりそうですが、主人公が探偵社入社と同時に、番外作ろうと思いますので、亀更新ですが暖かい目で見て頂けると有りがたいです！ (2023年2月5日 23時) (
レス) @page11 id: 70d5ff20c0 (このIDを非表示/違反報告)
こころ - 英検お疲れ様です！更新お疲れ様&待ってます！ (2023年2月4日 18時) (レス) @page11 id: fa05d75225 (このIDを非表示/違反報告)
こころ - ありがとう御座います…！ (2022年12月30日 15時) (レス) @page9 id: fa05d75225 (このIDを非表示/違反報告)
なしりんご(プロフ) - こころさん» コメントありがとうございます！とても励みになります。そうですね、アベルやカインなど、人型のオブジェクトはどうしても原作に寄せれないのでちょくちょくこっちで匂わせて、番外編など作ろうと思っております！お待ちください！ (2022年12月29日 22時) (レス) id: 70d5ff20c0 (このIDを非表示/違反報告)
こころ - 初コメ失礼します！更新待ってます！因みにカインとアベルって出せますか…？ (2022年12月29日 8時) (レス) @page5 id: fa05d75225 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なしりんご | 作成日時：2022年12月28日 11時
