甘味処営業中です【鬼滅の刃】

心外 ページ10

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からから、と音が鳴って甘味処の引き戸が開く

目をやるとそこには、男の人にしては少し長めの黒い髪の毛を後ろで束ね、静かな眼をしたあの人が立っていた


『いらっしゃいませ、お久しぶりですねえ
冨岡さん！』

「ああ」


そしてその目は私のすぐ後ろに向けられた


「___あら、冨岡さんもいらっしゃったんですか。
心配しなくともAさんは今日もお元気ですよ」

「……胡蝶」


お茶を啜る姿でさえも一級品の絵画の様に美しい彼女＿＿もとい、胡蝶しのぶさんは今日もここに来て私とおしゃべりをしてくれていた

この2人が揃うとなんとなく空気が変わる。

決して仲が悪いわけではないのだが、しのぶさんが冨岡さんを揶揄っている様な気がするのだ。


『 (私としては仲が良くて嬉しいんだけれども) 』

微妙な雰囲気をばりばりに感じながら冨岡さんに座敷に上がるよう促し、品書きを渡す。



『今日は何にしますか？』

「………おはぎ」

『おはぎ、ですか？珍しいですね』


そう言うと、しのぶさんが何かに気づいたようにああ、と声をあげた。


「冨岡さんは不死川さんに嫌われていますからね」

「俺は嫌われてない」



……え！？怖！？！！！！
いや、しのぶさんは前から笑顔で毒吐くみたいな節はあったけど！本人の前でここまで言ったのは見たことなかった！

ていうか今不死川さん関係あるのか！？
おはぎ食べて仲良くなろうとしてる的な！？
……………かわいい！



『 (冨岡さんも心なしか悲しそうな顔しちゃってるんですけど……………) 』




「良いんですよAさん、彼は自覚がないだけなんです」




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