甘味処営業中です【鬼滅の刃】

鬼か蛇か ページ27

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暗闇の中をひたすら走る




後ろから段々と近づいてくる荒々しい足音
こんなにも本能的に怖いと思ったのは初めてだった




怖い、怖い怖い怖い！！！！



『_______っ！』



事の発端は少し前。
裏山にある花を摘みにきたのだが、探しているうちに日が暮れてしまったのだ


勿論鬼が出る可能性も考えて夕暮れまでには山を降りようと考えていたのに、


こういう時に限って集中力が発揮されるのはなんなのだろうか

藤の香り袋だって持っていたはずなのに、探し物に夢中になって落としてしまったようだ






______絶体絶命、と


この文字がぴったりと当てはまるような状況で妙に落ち着いて走っているのはどうしてなのか


普通は泣き叫んで、腰が抜けて走れなくなってしまうのだろうが、私は嫌に冷静だった


いや、当然怖いという気持ちはある

捕まったら喰われてしまうというのだから。



『 (そろそろ体力やばい…かも) 』





でもあと少しで麓だ
麓には家も____________………


そこで私は はた、と気がついた




______いや、麓に鬼連れてきたら駄目でしょうよ！？
私は馬鹿か！？！？！？馬鹿だよ！ (逆ギレ)

私は即座に進行方向を変えた。

私のせいで他の人が鬼に襲われるなんて事があってはならない



どうしようか


息が上がってきている。
考えがまとまらない。

私は助かるのだろうか


日の出までは生憎逃げ続けられる気がしない


考えなければ。


ぐるぐると頭が回る
これはまずい、本当に死んでしまう




まぁ考え事をしながら走っていれば足元を掬われるに決まっている。


案の定地面に這いつくばっている木の根に躓き、私は派手に転んでしまった






「ひひっ、餓鬼が手間取らせやがってェ」



気持ちの悪い笑みを浮かべながらこちらへ歩いてくる鬼




______詰んだな

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