甘味処営業中です【鬼滅の刃】

花街 肆 ページ16

＊


声のした方に目を向けるとそこには黄緑色の目をして、青みがかった髪の毛を持つなんとも美しい【娘】がいた


『………？？』


さっき後ろから聞こえたのは男の子の声だったのだが、それらしき人は見つからない



「オイ、お前あれだろ 前行った店にいた奴だろ」



美少女がまるで似つかわしくない声音と言葉遣いで私を見ながらそう言ってきた
そう言われて思い浮かぶのはただ一人


『もしかして、い、伊之助くん？』

「ああ。で、何やってんだよ」



なんだろう、前会った時よりも大人しめに話していて声も小さめだ
あ、潜入中だからか

私の手首を掴んでいた男 (空気だった) は伊之助くんを見ると、私の手を離して非常に喜んだ声を上げた



「君！うちで働かない！？きっと君なら______」


「あ''ァン？もう間に合ってんだよ」


あまりにも男が大きい声を出すのでまずい、と思ったのか、伊之助くんは男の言葉を遮って黙らせ、私の手を引くとその場から足早に立ち去った

男はもう追いかけてこなかった



＊


「じゃーな」


そう言って彼は私の手を大門の所で離した



『助けてくれてありがとう。任務、頑張ってね』

「…ハッ！この嘴平伊之助様に任せとけ！！！！」



＊
後日談


「え！？あの時Aさん来てたのかよ！！？！？」


「ああ、俺の潜入してた【ときと屋】に甘味を届けに来たんだ」


「アイツなら俺も見たぜ！！！！変な男に絡まれてたから逃がした！！！！」


「ハァッ！？！？！？
ちょっ、おまっざっけんなよぉ！！！！その役俺がやりたかった！！！！Aさんにいいとこ見せたかった！！！！」


「……？惣一郎何赤くなってんだよ」


「俺は炭治郎だ …
(今更ながら羞恥が襲ってくる…) 」


「……オイ炭治郎…まさかお前もAさんとイチャコラしてたのかよ……………？」


「え、？うわ！刀を仕舞え善逸！！！」


「問答無用じゃこの色狂いがァ！！！！」

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