＊ありがとうを伝える時間 ページ35
MOON NIGHT様 ﾘ ｸ ｴ ｽ ﾄ 草間side
『ありがとうを伝える時間』
特支教室のカリキュラムには、それぞれの障害に合わせて配慮しつつ教科書の内容を進める授業と障害を受け入れながら向き合っていく事を目的とする訓練の、大まかに分けて２分野が存在する。
「リチャ先生！漢字ノート終わった！」
「おお早いな。…おし、合格。漢字の残りページ減ってきてるから、また新しいの持って来いよ」
「はーい」
こういうのも障害を克服する個人訓練のひとつ。
大橋は漢字練習や握力、淳弥は平衡感覚、今江は文章の表現を中心にちょっとずつ鍛えてるとこ。
そして今日は毎月恒例の全体訓練、まとくんと俺で皆に出来る取り組みを色々と企画してる甲斐もあって大橋を筆頭に結構やる気を出してくれる。
「じゃあ今月の自立授業のテーマを発表します！皆にやってもらうことは感謝の気持ちを伝えたい人についての作文とその人に宛てる手紙です！」
「やったー！え、作文ってどういうこと？」
「大橋分からんと喜んだん」
「ごめんなさあい」
まとくんが説明をしてくれてる間に便箋の入った封筒と原稿用紙１枚をセットにして配っていく。
目の前の物事に没頭しがちな今江は早くも耳から説明が抜けてもうてるみたいで俺の手元をずっと目で追ってるから、まとくんの方に意識を向けてもらうように軽く示したら丁度良いタイミングでまとくんも今江と目を合わせてくれて集中再開。
責めずに誘導できる辺り流石まとくんやねんな。
「あと書いてる途中で見せ合いは禁止やからな。特に手紙は渡すまで相手にバレたらあかんで！」
かなり実験的なルールではあった。それでも勿論文法上のミスなんて気にしない上で、思っていることを正直に作文として綴ってほしかったから。
全員が書き上げるのを待って発表の時間を設けるまでには２週間くらい掛かってしまったが、元々予定していたスケジュールからは外れていない。
「２人共ええ発表やったな」
「うんっ！僕も作文書くの頑張ったし、淳くんもいっぱい喋る練習したから全部聞こえてたで！」
「…なら、よかった」
「皆よう頑張っとったもんなあ」
「でもさ…大地くん、悲しそうやった」
「和也、そっとしとこ？」
「うん…」
今江は作文で当たり前のように丈の名前を挙げていたけれど、その声からは切なさが感じられた。
そう、丈がトラブルを起こし喧嘩をしていたのは丁度この少し前で周囲も何となく２人の間を混沌と流れる気まずさに気付き始めていたのだった。
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y - MOON NIGHTさん» こちらこそ完結までお読み下さいまして誠にありがとうございました。読者様に支えて頂いた部分は凄く大きかったですし、ほっと心が温まるようなお話を通して私の伝えたかったことや自分の心そのものを整理できたので良かったと思います。長らく御世話になりました。 (2018年1月24日 14時) (
レス) id: cd7f25b263 (このIDを非表示/違反報告)
MOON NIGHT(プロフ) - 完結お疲れ様です。ステキなお話ありがとうございました。作者様の書く文章が大好きです。何か、こう、温かさを感じていました。本当に素晴らしいお話をありがとうございます。 (2018年1月23日 23時) (レス) id: 38dd7cb8aa (このIDを非表示/違反報告)
y - MOON NIGHTさん» こちらこそリクエストして頂きまして誠にありがとうございました。色々なお褒めの言葉、嬉しい限りです。これからも本作品をよろしくお願い致します。 (2017年11月14日 7時) (レス) id: cd7f25b263 (このIDを非表示/違反報告)
MOON NIGHT(プロフ) - リクエストお応えいただいてありがとうございました！やはり作者様の書かれる文章がとても好きだなあと改めて感じました。心情表現というか人との関わりの表現だったりストーリーそのものが大好きです。続きのお話も楽しみにしております。 (2017年11月13日 18時) (レス) id: 38dd7cb8aa (このIDを非表示/違反報告)
y - さちお。さん» ２度目のコメント＆リクエストありがとうございます。朝田くんは毎年校外学習に行っていない設定なので特支教室メンバーでの学校訪問だったり見学などといった形になると思います。他に細かい希望があれば後からでもコメントして下さい。 (2017年10月28日 8時) (レス) id: cd7f25b263 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：y | 作成日時：2017年8月20日 12時
