らくだい魔女とかくれんぼ (ページ10)

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九話（チトセside）ページ10

ふぅ。着いた。

俺が着いたところは銀の城の裏側にある、木が生い茂っている場所だ。

一見、城の壁になぞって植物が生えているように見えるが、
一か所だけ人1人が入れるスペースがあるのだ。

普通だったらそんなスペースは絶対見つけることができないのだが、
フウカが隠れるからこそ、その場所は分かる。

この場所は日当たりが良く、昼間から夕日が落ちるまでここは日に照らされている。

そしてとある一か所だけその太陽の光を反射してキラキラ輝いてる場所がある。

俺は迷いなく、光っている場所へ足を向けた。

長い時が流れ、君を見つける日が来てしまった。

君の笑顔を待つだけではもうだめだ。

迎えに行こう。手を伸ばした先にいるのなら、手が届くうちに。

希望が夢が幸せがどれか分からなくなっても、不安と迷いと孤独で壁ができたとしても
俺は迷わずその壁を壊して、君を希望の世界へと導こう。

幼いころに話してくれた、あきれるほどあった
沢山の夢は今どれくらい叶っているのだろうか。

きっと「まだまだこれからよ！」と君は言うだろう。

君が願った幸せは訪れたのだろうか。

「よくわかんない」というような表情を見せるだろう。

数えきれない星の数ほどの愛に埋もれ
その中から顔を出す君の表情は笑顔で満ち溢れている。

そんな未来を俺は願うよ。そのためだったら俺は何だってできる。

それが俺から君に送る愛だ。

狭いところに埋もれないで、顔を隠さないで。

あの日言えなかった言葉を君に、フウカに、

告げる。

「フウカ、みーつけた」