らくだい魔女とかくれんぼ (ページ9)

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八話（フウカside）ページ9

もう嫌だ。皆嫌だ。そんなことを思う自分のことも嫌だ。

皆の声が聞こえずとも、顔の表情でなんとなくわかる。

誰も私を歓迎していない。視線が痛い。

皆は悪くない。私が生まれてきたことが…。

いや、そんなこと思いたくない。ママに愛されているって分かるからこそ
自分を否定するのがとても辛い。ママの愛している者を否定したくない。

パパのことだって…。

この髪の毛はパパの血を引いている。

誰もがパパのせいだと言う。呪われた証拠だって。

でもこの髪の毛はパパの娘だって誇ることできる唯一の証拠だ。

何も恥じることはないって分かっているのに逃げ出しちゃっている。

どこかで私もパパを否定しちゃっているのではないかと自分のことが
時々憎くなる。

ねぇ。パパ。パパはいい子になれない私を愛してくれる？

私が生まれたとき、焦るより先に喜んでくれたのかな？
そうだったら嬉しいなぁ。

私はパパにとって誇れる娘になれるのかな。
それはいつになったらなれるのかな。

パパに会いたい。

本当は今すぐお城から離れたいのだけど
ママの結界が強すぎて、出ようとした瞬間ママにばれてしまう。

どこか一人になれて、見つからない場所…。

だめだ。思いつく場所全てチトセにばれてしまう。

あいつは私がいなくなったと知ったら絶対に探しに来てしまう。

チトセも知らない隠れ場所となったら…。

あるじゃない！！チトセも見つけることができなかった場所！

せっかくかわいいドレスも髪の毛もボロボロになっちゃうだろうけど、
そんなこと今はどうだってよかった。

一人になりたかった。

私は明るい夕日に背中を向け走り出した。