三話 ページ4
銀の城につくと、すでに多くの人が集まっていた。
しばらくするとどっからか音楽が聞こえた。パーティーの始まりの合図だ。
さっきまで賑わっていた会場は一気に静まり返り
みんな同じところを見つめている。
扉が開くと銀の城の女王様と銀の城の王女様が出てきた。
普段と様子がだいぶ違うフウカに俺は正直見とれていた。
俺は人込みを避け、端にいるのでフウカには気づかれないだろう。
いや、やっぱ俺がどこにいても気づかれるだろうな。
ほらやっぱり目が合った。
特に何かを伝えるわけでもなくただただ見つめ返した。フウカは目をそらし
深呼吸をしパーティーに参加してくれた人へスピーチを始めた。
銀の国に住むものは笑顔でフウカのこと見つめ、成長を感じているのだが他の国のものは
面白くなさそうにヒソヒソ話している。内容は大体予想がつく。
俺の後ろでも苛立てる話が聞こえる。本当は今すぐ止めたいところだがここで騒ぎを起こすのはフウカにとってもっと嫌な思いをさせてしまう。
今は我慢だ、自分に言い聞かせフウカのスピーチに耳を傾けた。
しかしフウカの顔は笑顔を保たせるのが精一杯になり、次第に声も震え、手には力が入る。
これは、ヤバい。銀の国の者も不安そうに見つめる。
レイア様がフウカの背中をポンッと押し出す。
フウカは我に返ったように最後までしっかりスピーチを成し遂げることができた。
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カメレオン(プロフ) - チトセの遠回しな優しさがたまらんですっ!これからも頑張って下さい、更新楽しみにしてます! (2021年10月13日 16時) (レス) @page11 id: 59d3ccbf2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:歩望 | 作成日時:2021年9月8日 15時