らくだい魔女とかくれんぼ (ページ13)

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十二話② ページ13

俺はフウカに近づき、頭に手を置く。

「フウカは自分が思っているよりもずっと強いよ。大丈夫。間違っていたら俺が
正しい方へ導いてやるから。フウカはフウカらしく自分の思う道を進んでいけばいいよ」

「チトセ…。あんた生意気ね。言われなくてもそうするし。」

相変わらず生意気な返事だが、その表情は先ほどの不安や迷いの表情ではなくなっていた。

「お前たち…。私の言葉を遮って好き勝手言いたい放題…。フウカは私の娘だぞ！！！！」

レイア様はフウカを抱きしめ、俺たちを鋭い目つきで睨みつける。その目はいつもの威厳ある目ではなく、嫉妬、、、を感じる目だった。

「ママ！？くるしいよぉーーーーー！」

フウカは嘆くがレイア様は離れようとしない。

「わかりましたよ。女王様。先に戻っていますから」

俺たちは先に戻ることにした。

暫くして、レイア様とフウカが戻ってきた。

「迷惑をかけてしまって申し訳ない。フウカを探すのに協力してくれたことに感謝する。」

レイア様が頭を下げると、フウカも頭を下げ

「みなさん。今回は私が未熟だったせいでお騒がせしてしまってごめんなさい。」

と、謝罪した。そこに言葉が飛び交う。

「いいんですよ！姫様！！それよりもこっちで一緒に食事してください！！姫様の学校生活の話が聞きたいです！！」

「おお！！俺も聞きたい！姫様勉強は得意なんですか！！よく、朝は遅刻しているの見かけますけどね！！」

「私も見るわ～！食パン加えて元気に学校向かうお姿。たまに青の国のチトセ様も一緒に。ふふ。」

「あの二人は仲いいですからね！小さい頃となんも変わらない！」

そこで、俺に目線という名のスポットが当たる。

「げ、なんで俺に、主役はあっちだぞ！！」

「ちょ、ちょ、みんな！！そうよ！！今日の主役はあたしよ！！」

「主役の姫様の話を聞くには、チトセ様も必要不可欠だ！！おい！チトセ様が逃げようとしてるぞ！追えー！！女性は姫様を！」

お酒も入ってる大人を止めるのは難しい。逃げ切れるはずがない。レイア様も微笑んで、、、いや悪い笑顔で楽しんでいる。

「なんであたしも追われるのよー！！！！」

「おい！フウカ！絶対こいつらから見つからない場所に逃げるぞ！！」

ここは逃げ切るよりも隠れる方がいい。だって外はもう真っ暗だ。あの場所はもう絶対見つからない。