らくだい魔女とかくれんぼ (ページ12)

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十二話① ページ12

「さ、城に戻ろーz…」

俺がそう言いかけた時、どこからともなくフウカを呼ぶ声がした。

「王女様！！」「フウカ様！！」

その声を聞いたフウカが驚いて辺りを見渡す。

「え、みんな？どうし…て？」

「よかったわ！！みなさん！フウカ様は無事ですわよ！！」

「フウカ様。不快な思いをさせてしまい本当に申し訳ございません。
今更何をいっても言い訳とはなりますが、私はこのパーティに初めて出席しまして。
フウカ様のことは噂でしか聞いたことなく、思わずその噂とのギャップに驚いてしまったのです。
しかしフウカ様の嫌がる言葉を口にしたことには間違えありません。どうか私に処分を…」

1人の男はそう言ってフウカに跪く。しかしそれをよそに2人の人物がフウカに飛びつく

「姫様！！！！」「フウカ！！」

セシルさんとレイア様だ。2人とも髪の毛は乱れ、服も汚れている。

「セシル！？ママ！？あ、あのごめんなさい。勝手に飛び出して。
パーティーをめちゃくちゃにして。本当に本当にごめんなさい。」

フウカの目から涙が溢れる。無理もない。俺だけならまだしも、
多くの人がフウカのために動いた。パーティーはめちゃくちゃになったと言うのは
本当だ。フウカなりにかなりの責任を感じていることだろう。

「違うんだ。フウカ。フウカが責任を感じることはない。当たり前だろう。
フウカの気持ちに気づきながら私はパーティーを優先した。謝らなければならないのは
私だ。すまなかった。」

「違うのママ。私の心が弱いから。もっとママみたいに強くなることができれば
こんなことにならない。でもいつも私負けちゃうの。どうしたらママみたいになれるの？」

フウカはレイア様に謝って欲しいわけではないのだろう。あくまで悪いのは
自分だ、と。フウカの悪い癖だ。

レイア様が口を開いた瞬間、レイア様とは違う声が飛び交う。

「王女様は弱くないです！」「フウカ様は強いお方です。先程のスピーチを
聞いていればわかることです。」「フウカ様、どうか自分をお責めにならないでください。」

本当はみんな、フウカに抱きつきたいのだろう。足をプルプルさせている。