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・
肌を伝う山ちゃんの体温は熱くて、心臓は弱々しく激しくて。このまま燃え尽きてしまいそうで。
胸の奥が、握り潰されそうで。
・
涼介「約束、したよな？全員で帰るって。」
圭人「…でも、俺、」
涼介「圭人がやった事は…取り返しのつかない事だよ。
でもさ、俺達、人生の半分くらい一緒にいるじゃん。
お前が考えそうな事、何も分かんねーとでも思ってる？」
…やめて。
それ以上、固めた心を揺するのはやめて。
お願い、じゃないと俺、また、
圭人「山ちゃ、」
涼介「圭人が必要なんだよ！何が俺のために立ち止まらないでだ、馬鹿！
立ち止まったって…元に戻れなくたって、また一から作っていけばいいだろ！」
圭人「…！！」
俺の目をまっすぐ見てそう言い切った山ちゃんは、ハアハアと肩で息をした。
目の奥の紅は原子炉のようにグラグラと高熱を帯びていた。
奥で燃え盛る炎が嘘みたいに、ゆら、と揺れた瞳から一筋、美しい輪郭に落ちて光った。
山ちゃんの声は、震えていた。
・
いつだって俺は、皆の後ろを歩いていた。
守られていた。
これ以上、足を引っ張っちゃいけないって、思っていた。
この出来事は、きっかけでしかない。
思ってる、だけじゃダメなんだ。
現状を変える。独りでも、皆を守れるくらい強くなる。自分で動かなきゃならないんだって。
…でも、俺は。
ただ空回りしていただけだった。
強ければいい、守れればいい、そんな訳ないのに。
俺が忘れていたこと、それは、
・
涼介「…待ってるんだよ、ずっと。
俺はね、圭人。
圭人と一緒じゃないと、帰る意味がないの…」
・
まっすぐな気持ちを、まっすぐ受け止める。
ただ、それだけの事。
・
圭人「…ごめんね、山ちゃん……」
壊れないように、そっと、そっと抱き締めた。
ごめん。ごめんね。
山ちゃんが、皆が望んでるのは、『全員で帰る』事。
例えそれが不可能だとしても、閉ざして弾き返すのは、強さでも何でもなかったんだ。
・
涼介「一緒に帰ろう、圭人。」
ああ、俺はやっぱり弱い。
山ちゃんの目を見た途端、ぼろぼろ涙が止まらなくて。
その隙間に、どうにか応えようと息を吸った、
・
…その時だった。
涼介「かは…っ！」
山ちゃんは息を詰まらせた。
表情は歪んでいく。爪を立てた胸元に血が滲む。
・
赤い翼が、軋んだ。
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NMダイキング担 - 続き楽しみです！！！圭人君は大丈夫なのか……ドキドキです♭ (2019年10月17日 17時) (
レス) id: 238f9174c4 (このIDを非表示/違反報告)
NMダイキング担 - 更新ありがとうございます！みんなで元の世界に戻れるのか…ワクワクですo(^o^)o (2019年10月6日 0時) (レス) id: 238f9174c4 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - NMダイキング担さん» いつもありがとうございます！励みになります。またいつ更新が止まるかも分かりませんが、絶対最後まで書ききりますので、どうぞよろしくお願いします。 (2019年9月10日 23時) (レス) id: a8713bcbc6 (このIDを非表示/違反報告)
NMダイキング担 - 続き楽しみです！！！この小説の世界観が大好きです！ (2019年9月10日 22時) (レス) id: 238f9174c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユキ | 作成日時：2019年9月3日 23時
