幼馴染なのに見てくれないのマ！？ (ページ8)

今日:1 hit、昨日:20 hit、合計:16,772 hit

. ページ8

＊

『あ、次、雲雀の番なんだ…』

雲雀が現れた途端に、たちまちうるさくなる周りの人たち。並んでるスペースでも黄色い歓声がチラホラ聞こえてくるのだ。

それが聞こえる度に、私の中でモヤモヤとしたものが生まれて侵食しにくるのだ。

「一旦、一旦ね、見るか…………」

集中すればモヤモヤが取れるはずだと考えた私は、このレースを集中して見ることにしたのだ。

これが間違いだと気付かず。

雲雀の運動神経は良いため、軽々と障害物を乗り越えていく。

『かっこいいなあ、やっぱり。』

障害物競走最後のレースで見事1位に輝いていた。勿論黄色い声援は止まず絶えずなのだが……ほんっとうにそろそろ煩いかも…

雲雀も頑張ってたし、私も頑張って借り物競争やっちゃおうかな？と考えながら入場をしようとした時、

"頑張れ！"

ふと目が合った雲雀から口パクで応援メッセージが来た。

『ありがとう、頑張るから見ててね？』

私も口パク返しをしてみたのだが…雲雀からは反応を得られず、目を逸らされたのだ。なんでですか？