【文スト】ポートマフィアの非常識人

弐話 ページ4

A視点



私は少し焦り弁解の言葉を考える。

怒らせるのは駄目だ。本気の鬼遊戯(おにごっこ)何てもうしたくない。



マフィアの建物の中を良い歳をした大人二人が本気で鬼遊戯をするものじゃないわ。

あの時は本気で死ぬかと思った………



と、私が時々脱線しながらも弁解の言葉を考えていると、中原幹部は呆れた様な深い溜息を付く。



中原「………おい。此処で何回貝焼いてその度にどんな理由で怒られたか覚えてるか？」



其の言葉に、私は顎に手を当てて考える。



A「えっと………前回は二酸化炭素中毒の一歩手前で倒れてる所を保護されて、だったかしら。

その前は火災報知器が鳴り響いて回収されたわね。因みに回数は十七回。

あ、今回は火災報知機を壊して窓を開けたからもう大丈夫よ？」



天井を指差して、ナイフを刺して壊した火災報知機を中原幹部に見せる。

その次に開けた窓も指差す。



そうしてみると、中原幹部は怒りを鎮める所か寧ろ怒って居る様に見える。



どうしてかしら。



中原「そう言う問題じゃねぇんだよ！！」



そう言って、まるでウガー！とでも言わんばかりに興奮して私を怒る中原幹部。

本当に如何したのかしら。何かイライラする事でも有ったのかしら。



それなら、今度アロマキャンドルでも送ってあげましょう。

私はあの匂い余り好きじゃないし、貰い物で未開封の奴が幾つか有った筈だわ。

要らないから全部押し付けましょう。うん、それがいいわ。



………て、そうじゃなくて。



A「そういう問題じゃ無いならどういう問題なの？備品を壊したから怒ってるの？

なら給料から修理費引いてくれて良いから。そんなに怒らないで頂戴よ。

怒るのは精神的にも良くないわ。笑いましょう？」



そう言って私が自分のえくぼの辺りを人差し指を差して、得意の笑みを作って見せる。

然しそれに中原幹部は益々激高して、怒る………と云うか叱る？



………どっちでも良いか。



どっちにしろ、ちっちゃいし今は殺気も無いから怖くないわね。眼付きは悪いけれど。



また私をギャンギャンと怒る中原幹部。そろそろ耳が痛いわ。



中原「誰が怒らせてると思ってんだよ！そもそも根本的に違うんだよ！！」



そう言って私を怒る中原幹部に、デジャヴを感じる。



そう言えば、最近同じ押し問答を繰り返している気がするわ。

………うーん、何がいけないのかしら。イマイチ分からないわね。



私はまたも首を傾げる。

参話→←壱話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す