【文スト】ポートマフィアの非常識人

拾参話 ページ17

A視点



そんな私の何が駄目なのか、ぷんすこ私を怒る中原幹部。



中原「如何？じゃねぇよ！紛らわしい云い方もするんじゃねぇ！

手前、随分と気が緩んでるみてぇだな………仮にもここはポートマフィアの本部だぞ」



そう言って額に青筋を浮かべる中原幹部に、私はにっこりと笑いかける。

今日も笑顔で乗り切る一日の始まりね。嫌だわ。



あと、中原幹部ってば何時か心労で倒れるんじゃないかしら。



取り敢えず、私は気が緩んでいると言われた事を弁解しようと口を開く。



A「本部って云うのは知ってるわ。云ったでしょう？

あと、気が緩んでるなんてそんな事ないわ。仮にも医者であり戦闘員なんだから。

入って来たのが他の良く知らない部下君だったら、喉元にナイフを突きつけていた所よ」



そう言って懐から小ぶりのナイフを取り出す。



中原「いや、それも普通に駄目だろ」



そう言った中原幹部に、見る人を安心させる母性に溢れた笑みを見せ、口を開く。



A「大丈夫、刺しはしないわ。喉に突き付けるだけだから大丈夫よ」



中原「いや、その笑顔で誤魔化されないからな！物騒でまっったく誤魔化せてねぇからな！！」



大きな声を出す中原幹部を微笑ましく見る。

朝から煩いわねぇ。



A「はいはい、朝から元気で何よりよ。医者として嬉しい限りだわ………」



言葉が途切れると同時に欠伸をして、目を瞬かせる。

そして櫛で髪を梳き、髪を結う。



A「………で、用事はなぁに？今度も私に会いたかっただけ？」



クスクスと笑いながらそう言うと、中原幹部はまた怒る。



中原「ちげぇよ！あとあの時の事は忘れろ！！

………首領が呼んでるぜ。早めに行った方が良いんじゃねぇか？」



其の言葉を聞いて、私は自分でも驚く程の速さで身なりを整え顔を洗ったりしてすくっと立つ。



組織に属している限り、目上の人には絶対服従なのよ。

特に、何を考えているか分からない、太宰君とか首領の様な人には。



むやみやたらに逆らったって、どうせ全部読まれてるんだから。従った方が楽だと私の経験が言ってるわ。



だから、私は手をヒラヒラと振って其処から去ろうとする。



A「じゃあね！また今日、貝を焼いた時に会いましょう。今日は分けてあげても良いわよ！」



そう言ってスカートの裾を翻して去ろうとする私の腕を掴んだ中原幹部。



中原「オイコラ待て！もう室内で七輪で貝を焼くのはやめろ！」

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