Snow White vol.3:yesung story from SJ. (ページ49)

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147:朝。(YE) ページ49

「帰るなよ…」

最後の日は一睡もできなかった

俺もAも。

一晩中求めあっても足りなかった。

「帰りたくない…」

このまま一つになれたら

どんなに幸せだろうか。

土砂降りの雨が

大きな窓を叩きつけて

朝が来てるはずなのに

真っ暗な空が

俺たちを呑みこみそうだ。

「次会うときは…何しようか」
「ｼﾞｮﾝｳﾝと一緒なら何でも」
「ずっとﾍﾞｯﾄﾞの中でも？」
「いいよ…」

来月から確実に忙しくなることが解ってる。

日本に行くこともあるだろうけど

こんな風に一緒にいれるかは

解らない。

分刻みで襲ってくるｽｹｼﾞｭｰﾙのことを考えると

頭が痛くなった。

「A…手…出して？」
「ん？」
「そっちじゃない…左」

俺こんなの贈るの初めてだよ。

もちろん正式なやつじゃない。

それはもう少し先の話になるけど

「ｼﾞｮﾝｳﾝ…」
「俺、手が小さいから指輪はつけないことが多いんだけど」
「…」
「これは別。俺も絶対に外さない」
「…」
「良かった^^ぴったりだ。」

お揃いの指輪なんて

恥ずかしすぎて一生無理だって

思ってたけど

「…ありがとう//」

俺の左手とAの左手を並べると

こういうのも案外いいなって

照れくさいけど

そう思った。

「一人で泣くな。」
「…んー。」
「危ないところにも行くな。」
「…ん。」
「俺の事で…無理するな」
「…ん。」
「待ってるから早く…来い」
「…うん。」

俺を忘れてしまわないように

離れていても俺の温もりを憶えておいて欲しくて

まるで刻み付けるように抱いた朝。

「ｼﾞｮﾝｳﾝ、またすぐに^^」

俺の愛しい彼女は

日本へ帰った。

夢のような一週間を振り返るとあまりにも幸せで

俺の前に並べられた仕事の山が

何てことないように思えてくる。

俺たちは始まったばかり。

すべてのことを現実にしてやる。

俺とAの前には

永遠に続く幸せがあるだけ。

歌う事と同じだけ大切な想い

俺は絶対に手放さないと決めたんだ。