Snow White vol.3:yesung story from SJ. (ページ26)

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124:イェソン。ページ26

ｼﾞｮﾝｳﾝの歌を聴いていた。

自分を落ち着けるために。

見上げた月がとても綺麗で

耳元の声に夢中になってた。

抱き締められる感触と

右耳から抜かれたｲﾔﾎﾝの感触

「ちょ!返して!!」
「あ…」

振り向くと

言葉もなく唇が重なって

左の耳から

ｼﾞｮﾝｳﾝのﾌｪｲｸで脳がいっぱいになった。

「ん…//」

逃げようとしても追いかけてくる

それは彼の唇だけじゃなくて

腕や脚や指先も。

固く閉じた目を薄ら開けると

月の灯りに照らされた彼の目が

じっと私を捉えていた。

唇がそっと離れて

その感触を右の耳に感じた瞬間

「…愛してるよ」

歌声と混ざる彼の声に

全身が震えるのが解った。

ここは宿舎で

隣にはｿﾝﾐﾝくんがいる

そんなことも

全部真っ白になった。

「俺の声。聴いてて」

再び私の右の耳に帰ってきたｲﾔﾎﾝ

音が大きくなって

さっきまで微かに彼の亀たちが動いてる音が聴こえてたのに

もう彼の歌声しか聴こえない。

目を閉じると

彼の指先と唇が滑り落ちる感触と

歌声。

ゆっくりと脳が麻痺していく。

彼の声を打ち消さないように

唇をぎゅっと閉じた。

そんな私を見て

彼は少し笑った。

彼の唇が何度も私に

愛を囁いているのが解って

私はｲﾔﾎﾝを外した。

「…聴きたい。」
「…愛してるよ」

吐息交じりの特別な声。

きっとこの声で囁かれる愛の言葉は

世界でたった一つだけの響き。

「イェソン…」

彼のもう一つの名前を呼ぶ。

「久しぶりだな…Aにそう呼ばれるの」

あぁ…私は彼の声に恋したんだ。

そう思った。

歌手である彼の宝物のような声に。

でもいつしかそれは

彼のすべてを愛する感情に変わった。

「ｼﾞｮﾝｳﾝ…愛してる」

全身に走る刺激に

それ以上何も考えられなくなった。

私を呑みこむように優しく包み込んで

その時を迎える彼の最後の一瞬の吐息。

美しいその響きを聴く幸福を感じながら

私の目の前は真っ白になった。