110:再会したカリスマ。 ページ12
目を付けているｶﾌｪがあった。
それはｶﾛｽｷﾙ近くの路地裏で
ｵｰﾌﾟﾝﾃﾗｽの店は洋館のような造りになっていた。
「あった!!」
最後に見た時はﾁﾗﾎﾗお客様もいたのに
貸店舗の貼り紙が貼ってある。
「ちょうどいいかも…」
店の前を行ったり来たりして確認する
「ちょっと古いけど、少し手直しをしたらなかなかいいかも…」
お隣はｲﾝﾎﾟｰﾄを取り扱っている小さなお洋服屋さんと
ｵｼｬﾚな花屋さんか。
うん。いいかも。
貼り紙に書いてある住所と電話番号をメモして
ﾏｽﾀｰへ電話を掛けた。
『お!早速いい物件あったか？』
「はい。なかなかいいと思います^^写ﾒ送りますね」
『場所が解る地図もお願いしていいか？』
「了解です^^」
『一応不動産屋まで行ってもらえる？』
「そのつもりです」
『さすがだな(笑)愛の力って恐ろしい』
「切りますよ(笑)」
電話を切った直後
視線を感じた。
ん？
ﾆｺﾆｺとした若い男性が私を見てた。
「お姉さん一人ですか？」
たどたどしい日本語
きっと電話の私の話を聞いてたのね。
無視して立ち去ろうとした
「お姉さん綺麗ですね^^」
「すみません急いでいるので」
わざと韓国語で返すと
「ねぇ俺と遊びに行こうよ。案内するから」
「結構です」
腕を掴まれた。
どうしよう…
「いいじゃん！行こうよ！」
「ちょっと離して！」
ｼﾞｮﾝｳﾝ助けて!
ｼﾞｮﾝｳﾝの顔が浮かぶ。
でも私はこんなことぐらいで…
「離して！」
「いいから来いって！」
もう一方の腕が伸びてきて
咄嗟に目を閉じた。
「ねぇ…俺の女に何か用なの？」
頭の上から聴こえてきた声。
それは少し高くて掠れたあの特別な声。
「なんだお前？ｹﾝｶ売ってんのか？」
「ｹﾝｶ？ﾊﾞｶかお前」
優しかった声は
今とても冷たくて
男の顔に超至近距離まで詰め寄ってる。
「何だよお前！」
「お前こそ何なの？」
男の人って腕力だけじゃないんだって
ぼんやり考えていた。
彼が出している雰囲気は
どこか狂気じみた凄みがあって
落ち着いた声が尚更怖かった。
「何だｺｲﾂ！気持悪い…」
逃げていく男を見届けて
「ﾇﾅ^^偶然だね!」
振り向いた彼はさっきの彼とは全く違う。
「…ｼﾞｭﾝｽくん！」
「ﾇﾅ、僕って分かる？やったー!うはは!」
ﾅｾﾞか嬉しそうな彼。
111:知らなかったこと。→←109:ｶﾘｽﾏの休日。(JS)
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作成日時：2012年1月13日 13時
