109:ｶﾘｽﾏの休日。(JS) ページ11
たまにはｶﾌｪでも行ってみようかな…
最近ﾐｭｰｼﾞｶﾙの稽古に追われて
本当にぼんやりする暇もない。
江南から出ようか…
いや面倒だ。
でも気付かれたら？
ﾊﾞｯｸﾐﾗｰに写った自分を見ると
どう見ても…
「うはは(笑)ｶﾘｽﾏじゃない！」
起きたばっかりで髪はﾎﾞｻﾎﾞｻだし
うわ…肌の調子めちゃ悪…
おまけに浮腫みも凄いな(笑)
でも…最小限の変装で大丈夫そうじゃない？
「うん！どっからどう見てもｼｱｼﾞｭﾝｽじゃないな！よし！」
鍵を掛けて車を降りた。
「んわーーーーーーっ！いい天気^^」
めいっぱい背伸びをして
人目を気にすることなく歩き出した。
ﾎﾗﾎﾗ…気付かない(笑)
「最近ジュンちゃん何してるんだろー…会いたいなー！」
「そうだよねせっかく日本から来たのに…」
思いっきり俺のﾍﾟﾝだなこの２人組…
ここにいるよ？(笑)
ブハッ！気付いてない！
何だよー今なら機嫌もいいからｻｲﾝぐらい全然いいのに！
「ちょ…何？この人見過ぎじゃない？」
「ｷﾓｲんだけど…行こ！」
ｷﾓｲって(笑)
ｷﾐたちが溺愛するｼﾞｭﾝｽだよーーー!
はぁ…
気付かれないのは楽だけど
何か寂しい気もする。
そうだ。
あれ？もしかして忘れてきた？
あぁーあ。何やってんだ俺。
ｶﾌｪでのんびりｶﾘｽﾏの呟きを上げようと思ったのに
財布しか持ってきてない。
もういろいろ諦めた！
ひっそりとした路地裏のｶﾌｪに入って
ぼんやり窓の外を眺めていた。
いいな…こんな時間が毎日あったら…
向かいの貸店舗の前を何度も往復しながら
立ち止まったりしゃがみこんだりしてる女の人が目に入った。
「何やってんだろ？」
それにしてもｷﾚｲな脚だな。
けっこう身長もあるし…
「あの髪に男は弱いよね…。長いのをこうさ！きゅっとまとめて…でも少しまとまりきれてない感じ…はぁ…いいなぁ…」
声…かけようかな(笑)
でも…今日の俺はｶﾘｽﾏ仕様じゃないし…
う〜ん。悩む。
ん？
「なんだ…一人じゃなかったのか…ん？」
様子がおかしい。
声は聴こえないけど
彼女の腕を引っ張って行こうとする男
彼女の顔は見えないけど
もしかして！
俺は咄嗟に危険を感じて外へ出た。
「いいじゃん！行こうよ！」
「ちょっと離して！」
やっぱり。
この声はAﾇﾅだ。
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作成日時：2012年1月13日 13時
