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05_06 ページ11

▷ゆうた




撮影が終わり家に戻る。ちょっと寝てからすぐ編集だから事務所戻らなきゃだけど。


慣れない時計のない左腕。Aさん家に置いてきちゃったかな。




部屋のポストに入っていたAさんのメモを見て、電話をかける。


字、綺麗だな。丁寧な字。




ゆうた「出ない、」




Aさんの部屋のインターホンを鳴らしても反応はなかった。


出かけてんのかな。




いやでも完全にオフで土日は家にいるって言ってたし…。




なんだか、嫌な予感がした。


もう一度電話をかけると、通話の画面になった。





ゆうた「Aさん?」



「…ん、ゆうた、くん……?」




がたん、と電話の向こうでなにかが倒れる音がした。





ゆうた「俺いま部屋の前いるんだけど、家にいる?」



「あー、うん、いる。ちょっとまって、」




通話の画面のまま、少しの物音のあとに、鍵の開く音がした。


ドアを開けると、Aさんが玄関でしゃがみ込んでいた。





ゆうた「Aさん!?」



「とけい、忘れてったでしょ、」

 


真っ赤な頬に、虚な目。

身体を支えておでこに手を当てるが、熱がかなり高そうだ。





ゆうた「Aさん、病院いこ。熱あるよ。」



「薬飲めば平気、だから…、」





熱がある以外に不調はなさそうだから、ベッドまで運んで寝かせる。





ゆうた「ポカリとか、あとかぜ薬どこにある?ご飯食べてないよね?ゼリーとかなら食べれる?」




「…ゆうたくん、手つめたくて、きもちい。」





おでこに乗せた俺の手に、Aさんは自分の手を重ねた。


年上のはずなのに、幼く見える。きっと熱のせい。






ゆうた「俺ちょっとコンビニ行ってくるね。ポカリとか買ってくるから。」



「、いて…」





ゆうた「ん?どうしたの?」





「ここに、いて、」







目は瞑ったまま、小さな言葉。





ゆうた「…うん、いるよ。」






Aさんが眠るまで、そばにいた。

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tamaki - 【お隣さん、好きになってもいいですか?】凄く面白かったです!心情の表現がリアルに伝わってきました!付き合うまでとか付き合ってからのお話とか、続編も見てみたいので、もし気が向いたらぜひお願いします! (2022年10月11日 1時) (レス) @page16 id: 09b446e6ca (このIDを非表示/違反報告)
rry - コメント失礼します、あっちゃんとゆたくんのお話が大好きです!他にもたくさん作品書いていただきたいです、、、これからも頑張ってください!お願いします。 (2021年11月23日 19時) (レス) @page16 id: 7243f08c85 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aki | 作成日時:2021年9月9日 16時

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