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▷あなた

っあー…、やっちゃったなー…。

さすがに歳下の仕事相手に手出したのはアウトかなー…。

まあでも合意だったし！ね！セーフかな！

なんて言い聞かせながらの出勤。しばらくは本社に出なきゃいけない、朝早いのきついなあ。

電車に揺られながら、やまとくんからのLINEを開く。

やまとおはよ。仕事頑張ってね。

マメな男の子だ。

可愛い。

…男の子は可愛いは嫌がるかな？

しばらく退屈はしなそうだなあ。

恋愛はしたくない。でも、人肌は恋しい。

うってつけの相手だ。

Aおはよ。やまとくんもね。

すぐに既読がついたが、携帯をカバンにしまって、目を閉じる。

会社、行きたくないなあ。

デスクに座ってノートPCを開く。

『冬月、ちょっといいか？』

上司に呼ばれて、ミーティングルームへ。…え、私なんかした？…もしかしてバレてないよね？(笑)

『戻ってこないか、新宿に。』
　

「…急に、どうしてですか？」

『人材不足なんだ、営業は。Aがいれば戦力になる。今回のYouTuberとの企画を皮切りに、戻ってこい。』

「…名前で呼ばないでください。会社です。」

半年前まで、関係を持っていた上司。

…ほんとに好きだったんだけどね。
結婚するんだってさ。それであっという間に終わり。

「戻れと言うなら戻ります。自ら異動願出したわけでもないですし。会社の指示に従います。」

『おい、A…、』

話半ばでミーティングルームを出ると、待ち受けていたのはめんどくさい先輩たち。

『なんの話してたの？』

「今度の企画の話です！」

笑顔を貼り付けるのも、疲れる。

上司は結婚することを公表してないし、社内でめちゃくちゃモテる。取り巻きの女連中がめんどくさい。ちょっと話をしてただけでこれだ。

『そーなんだ！今度女子会するんだけど、冬月さんもおいでよ！若い子いた方が盛り上がるし！』

「ぜひ！お誘い待ってます！」

超絶社交辞令。この空間がもう気持ち悪い。今日は早く帰ろう、気分悪い。