千夜一夜絵巻～二人の国王～ (ページ6)

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好きにしてもいい。ただし、ページ6

A「…王家の紋章かこれは。」

服をくれと言ってからあの置き物セフンが持って来てくれた服は装飾品こそ無けれど、古代エジプトとオリエンタルをミックスしたようなドレスだった。

A「いや、悪くはないんだけど……」

どうせならエマ･ワトソンが良かった！
美女と野獣の！

チャンミン「俺は何も着なくてもOKだぞ？」

A「煩いっ！しつこいっ！」

これでも下着なし我慢してるんだからね！

チャンミン「要らねーじゃん。どうせ脱ぐのに。俺だってノーパンだぞ？」

自慢にもならんっ！

てか、そんなヒラヒラした布の下でぶらぶらさせて安定感悪くないのかっ！

チャンミン「開放的で気持ちいいぞ！な！セフン！」

セフン「いいえ。思いません。王様もお穿きになられた方がよろしいですよ？落ち着きますから。」

チャンミン「……。」

…プッ。

怒られてやんの(ニヤ)
王様のくせに。

セフン「王様。お戯れも程々に。そろそろご公務に戻って下さい。」

チャンミン「…チッ。仕事かよ。ブツブツ…面倒くさいんだよな…ヒッ？！」

セフン「ハンコ押すだけでしょ？文句言うな。」←今日イチの睨み

チャンミン「言わないっ！仕事するっ！」

セフン「では執務室に参りましょう(ニッコリ)」

笑った？！

置き物が笑ったっ？！

セフン「A様。」

A「は、はいっ！」

チャンミン「お前！王の俺にはタメ口なのにコイツには敬語かっ！」

だって自然と出るもんっ！

怖いからっ！

セフン「今から王様はご公務故にA様のお相手をする事が出来ません。」

うん分かってる。
全然OK！

セフン「なのでどうぞご自由になさっていて下さい。城の中を探検するなり、プライベートビーチで泳ぐなり、中庭を散策するなり、使用人たちとおしゃべりしながら私共の事を探るなりどうぞお好きになさって結構です。」

わかった！
好きにしますっ！

セフン「ただし。」

A「ただし？ヒッ？！」

顔が近いっ！

目が怖いっ！

セフン「中庭の向こうに見える山には近づかないように。」

A「え？山？」

ビーチとは反対側の窓から見える中庭の向こうには確かに山があった。

近づくなって野生のクマとかイノシシとかが出るとか？！

セフン「そうですね。近づかない方が身の為です。命が惜しいなら。なぜならあそこは…魔物の巣窟ですから。」

ま、魔物の巣窟ぅ？！