千夜一夜絵巻～二人の国王～ (ページ22)

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平和なこの国の裏側ページ22

チャンミン「てめぇ何しに来たっ！不法侵入で訴えるぞっ！」

A「ちょっとチャンミンっ！」

乱暴な言い方っ

ボゴッ！

え？！
チャンミンの後頭部に鉄拳？！

チャンミン「いっで？！何する？！セフン？！」

セフン「お越しいただいた客人に対してなんという口の利き方ですか。月に一度の定例会です。お忘れですか？」

チャンミン「忘れた。」

パシン！

無言の容赦ないビンタ一発。

セフン「バカなフリをしろとは言ったがバカになれとは言ってない。(←超冷たい目)」

チャンミン「うん。忘れてない。覚えてるよ僕。(←焦点の合わない目)」

ユノ「…(ボソッ)ジャンケンで負けてよかったわ。」

チャニョル「は？なんすか？ジャンケンって。」

ユノ「お前を俺が引き取った経緯。昔、お前かセフンをどっちが面倒見るかってなった時、チャンミンとジャンケンしてアイツが勝ってセフンを選んだんだ。お前でよかった！な！」

チャニョル「…え？」←真実を知ってショックを受ける人

A「……。」

なんかよく分かんないけど、お邪魔なようだから席を外そう。

A「クワバラクワバラ。関わらないのがいちばん。うん。あ、親方～！」

イェソン「おう！」

A「なんか手伝おうか？ヒマなの。」

イェソン「あー、定例会な。月イチの。」

A「親方知ってるの？」

イェソン「月に一度、それぞれの城に集まって近況報告するのさ。」

A「近況報告？」

こんな平和なのに、そんな報告いるの？

オニュ「平和に見えるのは二人の王様が昼と夜をそれぞれ統治してるから。」

A「ニューさん！」

オニュ「この国はね、先王様、つまりユノ様とチャンミン様のお父君から二人に託された国なわけ。」

イェソン「平たく言えば遺産相続ってやつだな。」

A「遺産相続？」

イェソン「ああ。お二人のお母君はチャンミン様を産んで間もなく亡くなられてな、ユノ様もまだ幼いし、チャンミン様も生まれたばかりで、お二人の将来を案じられた先王様はすぐに継妃を迎えられたんだ。けどまあ、先王様と継妃の間に王子が生まれて、状況は変わっちまった。当然の事ながら、継妃は我が子を王にと考えた。先王様にとっちゃ三人の王子は息子に違いないが継妃は違う。だから、継妃を納得させるため、本国は第三王子に継がせ、お二人にはこの荒れ地を与えたってわけさ。」

荒れ地？
ここが？