千夜一夜絵巻～二人の国王～ (ページ3)

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天国ではなくてページ3

A「ん……」

目が覚めた。
真っ白なシーツの上。

天蓋付きのベッド。

煌びやかなアラビアっぽい装飾の壁。

A「なんかイメージ違うけど…ここが天国なのかな？」

起き上がって自分の姿に驚く。

A「ぬあっ？！何も着てないっ！」

いや待て。
宮城くんに崖連れて行かれた時、あのまま歩かされた。
何も着てなくて当然だ。

A「きっと死んだ時のまんまであの世に行くのね。うん。」

一人で納得。

A「取り敢えず、天国なら天使様にでも挨拶に行ってこよう。」

と、纏ってたシーツを捲ると。

A「……なんか絡まってる。」

私の腰と足に絡まる明らかに違う手と足。

A「……。」

怖い。
振り向くのが怖い。

一瞬過ぎった嫌な予感。

いやいやまさか。
だってここ天国でしょ？
死後の世界でしょ？

そんな事ある訳ない！

チャンミン「目が覚めたのか？女(ニッコリ)」

A「……あんた誰？」

チャンミン「誰とは失礼だな。命の恩人に。」

A「命の恩人？」

チャンミン「ああ。うちのプライベートビーチに打ち上げられてたお前を介抱してやったんだからな。」

え？
じゃあ何？
宮城くんにあの崖から突き落とされて、海に沈んだと思ったら、ここに流れ着いて天パっぽい色白の細マッチョなイケメンの部類に入るこの男に助けられたの？

私死んでない？
生きてる？

A「バンザーイ！助かったあ！！」

よくわかんないけどこの人にお礼言わなきゃ！

A「助けて頂いてありがとうございますっ！お礼をしようにもありがとうとしか言えなくて」

チャンミン「いやいや礼なんて。もう頂いたから。」

A「へ？」

頂いたとは？

チャンミン「その身体で…ね？(ニッコリ)」

その身体でって……………

………………まさか？！

A「なんであんたも服着てないの？！」

チャンミン「だって肌と肌をくっつけると温かいって教わったからさ。いや初めは真面目に介抱してたんだけどな？ほら、そこはやっぱ俺も男だし、なあ？(ニッコリ)」

A「はあ？！」

なあ？じゃないわっ！

せっかく助かったって言うのに、こんなどこの馬の骨かもわかんない奴にに知らず知らずのうちに食べられてしまったですと？！イケメンだけど！

セフン「チャンミン様は馬の骨ではありません。国王様でございます。」

A「は？！」

あんたも誰？！