ヒニムの中心 (ページ30)

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魂のレコーディング hc ページ30

俺が作曲したアルバムタイトル曲「魔法猫」のレコーディング。

hc「そこをもっとブリブリ歌って」

A「ブリブリですか??」

hc「そうだ、ブリブリ。恋愛ものなんだからもっとぶりっ子して」

自分の趣味に合わせて注文をしまくった。

他にも音源聴いてるナムジャペンの妄想を誘えとか抽象的な事ばかり、

レコーディングルーム横の窓越しに指示したが、

Aは完全に仕事モードで、何の文句も言わずに何度もワンフレーズを歌う。

レコーディングが終わった時には、
歌ってもいないのに俺までヘトヘトだった。

しかしAはやはり若い。

見た目よりは大人だが俺より10こ下の21歳なだけある。

A「大丈夫ですか？」

と言って、ソファでへなっている俺に、ジュースの缶を渡す。

hc「すまん。一曲に2時間も……。初めての自作曲だから熱が入ってしまった」

A「大丈夫ですよ、私は。喉の強さには自信があります。

昔カラオケ行くたびに“鉄の喉”ってよく褒められていたので」

それは褒め言葉なのか。

A「それにヒチョルシの魂のレコーディングのおかげでナムジャペンが増えます！」

魂のレコーディング……。

俺の寡占状態だったヘリウム声がみんなのものになるのは複雑だ。