【小説】 colosseum -β- 【募/集/企/画】 (ページ3)

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それから数十分後。天音紅羽の次に呼ばれたのは生崎琉(おざきるい)という男だった。彼もまた、呼び出しのアナウンスが入るとすぐに管理室に向かった。理由は二つある。主な理由は同室の少年がなかなかおしゃべりなタイプで、疲れたこと。もう一つはここから出る方法を知るために、管理室に出向いたのだ。そこにいけば、なにかわかるのではないか、と。

　しかし、本館の方に玄関はあるものの、施錠がかかっている上に外へ出ても周りは木しかなく、森の中にあるコテージだということしかわからなかった。"冗談じゃない"と苛立ちを覚えたが、この苛立ちをぶつけるアテもなく、仕方なく管理室に向かった。向かう途中、生崎琉は眼鏡をかけた女の子とすれ違った。先に呼ばれていた人物だとわかるまでに時間はかからなかった。彼女は生崎琉に見向きもせず、階段を下りていく。自身にも言えることではあるが"挨拶くらいすればいいのに"と思いながら改めて管理室を目指し始めた。

　時は少し遡り、天音紅羽が管理室に来たときのこと。入った部屋の奥に、20台ほどあるモニター画面が壁一面に貼り付けられていた。どの画面も全て真っ暗で何も見えない。

「ようこそいらっしゃいました、天音紅羽様。どうぞおかけになってください」

　目に飛び込んできたモニターの数に圧倒されていたが、部屋の中央にはこじんまりとしたテーブルとパイプ椅子があった。言われた通り座ると、スピーカー越しの人間がしゃべり始めた。

「colosseum(コロシアム)へのご参加、誠にありがとうございます。ただいまより、当ゲームの説明をさせていただきます。まず初めに、当ゲームは対人戦もののゲームとなっております。集められた18名で戦っていただきます」

　いきなりのことに全く話が追いつかなかったが、コロシアムと言っている限り殺し合いをさせられるんだろう、と勝手に解釈をする天音紅羽。その言葉に更に興味をそそられた。スピーカーから発せられる声の主は説明を続ける。

「当ゲームは皆サマの意識だけをゲーム内に飛ばす、リアル型アクションゲームです。ゲーム内のことを仮想世界と我々は呼んでいます。本日より一週間、その仮想世界での容姿を考えていただきます。簡単に言えば、アバターを作成してもらうということです。天音紅羽様は横の棚から"201"の小型タブレットをご使用ください。」

　首を動かせば、たしかに20個の引き出しがある棚があった。201から209、301から309までがある。