【小説】 colosseum -β- 【募/集/企/画】 (ページ14)

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「どういうこと……」

　そう呟いたが、わからないままだった。その後は、夜月明莉が天音紅羽、京雪、月野長月、生崎琉の4人をつれてきて隠れている人は残り6人となる。

「隠れてた場所からいきなり飛び出して驚かせたんだけど、かくれんぼだっていうことを忘れててね！」
「ルールを理解しろ……」

　へらりと笑う月野長月を見て、溜息をつく生崎琉。3日ほど経ったせいか、出会ったときよりも少しばかり関係も良い方向に進んでいるようだった。それは彼らだけでなく、他の人もそうである。同室で過ごしている天音紅羽と蜘蛛川巴も、そこそこ仲良くなっていっていた。それを見て、京雪は心の中でほっとしていた。"このままいけば殺し合いをせずに脱出できるのではないか"と思ったのだ。

　また、それは隠れているメンバーだけとは限らなかった。場所は変わり、AVルームになる。そこにあるロッカーほどの大きさの木製のクローゼットに花残奏は隠れていた。このクローゼットは木製のせいか、湿気がないように上の方に長方形の空洞がある。ドアが開かないか聴覚を研ぎ澄ましているのだが、いっこうにこの部屋に人が来る気配はない。"このまま誰もこなければいいな"と思う。

　しかし、その思いは一瞬にして砕け散ることとなる。がちゃり、とドアノブが捻られると、人が入ってきた。花残奏は緊張し、体がこわばる。目を凝らしてみていると、入ってきたのは白鳥拓磨のようだった。面倒くさそうな表情のまま頭をぽりぽりとかきながら独り言を漏らしている。

「ほんと、早く終わってくれないですかね、これ」

　はあ、と大きなため息とつきながら椅子に座る白鳥拓磨。花残奏がいるクローゼットはドアの横にあるのだが、それを通り過ぎ椅子に座った白鳥拓磨。息をするのも忘れて、彼をじっと見つめる。探す気はサラサラなさそうだ。花残奏は緊張の糸をほどく。"油断はできないが、探す気がないのならクローゼットをあけることはないだろう"、そう思ったのだ。

　しかし、その思いも裏切られるのである。再びドアが開く音がしたかと思うと、聞き覚えのある声が、花残奏の耳に届いた。

「拓磨？こんなところで何してるの？」