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A「あの、智洋さんはこのお仕事を始められてから何年目になるんですか？」
神山「今年で5年目、ですかね」
A「5年目…」
神山「Aさんは？
お仕事は何をされているんですか？」
A「私は…今は、無職です。」
神山「それは…失礼しました。」
聞いてはいけないことを聞いてしまった、と思った。
A「あ、いいんです！全然。
昨日までは…専業主婦、でした。」
神山「昨日までは…？」
A「はい。…離婚、したんです。昨日」
神山「そう、でしたか…」
さらに聞いてはいけないことを聞いてしまったみたい。
…うわぁ、何やってんねん、俺。
A「彼が浮気してるのはわかってたんです。
会社の子と。
…でも、私は専業主婦だし、離婚したら行き場なんてないし…言い出せなくて。
そしたら向こうから言われちゃいました。
“離婚してくれ”って。」
神山「ひどいですね、それ」
そんなん絶対許されへん。
俺がぶん殴りに行ってやりたいくらい。
A「どうせなら、私から言ってやりたかったです。
“お前なんて、くそくらえだー！”って」
ふふって笑って
お酒の入ったグラスを覗いた彼女の横顔は、
思わず息をするのを一瞬忘れてしまうほどに美しかった。
神山「…忘れましょう、そんな男。
もっとええ人、たくさんいますって」
A「私、彼としかお付き合いしたことないんです。
高校生の時から付き合ってて、大学卒業と同時に結婚して。
彼が家庭に入って欲しいって言うから就職もせずに専業主婦になって。
私、取り柄とかないし、仕事探さなきゃだし…」
神山「取り柄がないなんてそんな！
そんなこと、ないですよ」
A「優しいんですね。…ありがとう。
そう言ってくれるだけで嬉しいです。」
神山「ほんまに！ほんまに思ってますって。
Aさん、綺麗やし…ってあ、」
また余計なこと言うた、俺。
神山「すみません…」
A「そんなこと言ってもらえて…
お世辞でも嬉しいです。ありがとうございます」
神山「お世辞ちゃいます！
ほんまに、ほんまに綺麗ですよ」
もうこれ以上言い続けても
恥ずかしさが増すだけやってことに気づいた俺は、
後ろの棚に並べられたウィスキーのボトルに手を伸ばし、手入れをし始めた。
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なこたん(プロフ) - ひのりーるさん» いえいえ！素敵な作品ですね、次の更新も楽しみにしています♪頑張ってください。 (2016年11月27日 16時) (
レス) id: 3e52d8806d (このIDを非表示/違反報告)
ひのりーる(プロフ) - なこたんさん» ご指摘ありがとうございますm(_ _)m 全く気がつきませんでした… 修正していただきました！ (2016年11月27日 16時) (レス) id: c73deeb403 (このIDを非表示/違反報告)
なこたん(プロフ) - 禁煙スペース、ではなく喫煙スペース、ではないでしょうか？すみません、気になったので(^^; (2016年11月27日 15時) (レス) id: 3e52d8806d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひのりーる
| 作成日時：2016年11月3日 16時
