Colorful Magic ４

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「何が？」


「うちの実家の会社に入ること。
大毅ならどんな大手でも入れたし、
研究職にでも就けたのに。
お父さんに俺らのこと、認めてもらうため？」


「とも。そんなこと心配しとったん？」


「そりゃあ心配するよ！
大毅、窮屈ちゃうん？
うちのお父さん、厳しいし、
まあ、なんていうか、怖いし」


最後んとこ、
少し前の席にいはるお父さんに聞かれへんよう、
声ひそめてた。


とものこういうとこ、可愛ええねんて。


「俺のこと、かってくれて、
でかいビジネス任せてくれはるんやもん。
やり甲斐しか感じひんし。
頑張ろって思てんで？
それに、俺はとものお父さん、
神山社長、別に怖ないし。
可愛いらしいお茶目なとこ、
いっぱいやん？」


「はあ？
お父さんのどこがお茶目やねん」


「知らんの？とも」


「知らん。
いつも俺には怖いもん」


「そんな事ないって。
とものグッズ、
こっそり集めてはるねんで？」


「なっ、なんで大毅がそんなこと知ってるねん！」


「ニューヨーク支社の社長室に飾ってた。
ともの写真も」


「まじで？恥ずかしいねんけど」


「愛されてるねん、とも」


「大毅の両親は？
怒ってへんの？」


「うちは昔っから放任やしな。
自分の力信じて、
好きなように生きたらええって。
誠実やったら何してもええって考えやからな」


「でかいなあ。大毅の家族」


「そうかあ？
庶民代表やで！」


「あったかくて、
おもろくて、
大毅そっくりや」


「なんか照れるな」


隣は、見知らぬ外国人。

ならええよな。


ともの手をぎゅっと繋ぐ。

とも、はっとして、こっち向いてさ。

その手を、膝の上のブランケットの下に隠してん。

余計にドキドキするやろ。


「日本に帰んの、楽しみになってきた」


ともが、にこって笑って言う。


「今やっとなん？」


「うん」


「遅っ」


「ええやんか！」


「ええけど。
俺はともとならどこにおっても幸せやで？」


「そんなん、俺もやしな」


なんでか、
ちょっと威張った顔して言う、とも。


「そんなとこも好きやねん」


言葉になったんは、
最後の一行だけやったらしいて。

ともに不思議そうな顔された。

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