Colorful Magic ２

６ ページ41

「失礼しまあす」


聞き覚えのある、低音の声と共に、
ガラガラッと扉が開く。


そこに立ってたんは、小瀧と、
友人らしき、数人。


次、２年の番やねんな。


「望！」


流星の顔が、ぱっと明るなった。

いつも淡々としてるように見えんのにな。

恋してるねんなあ。


「あ・・・」


流星を見た小瀧、目を見開いて。

なんでか、真っ赤っかんなってさ。


扉、すぐにバンって閉め直した。


「どうしてんやろな、あいつ」


「・・・俺、嫌われてんのかな。
しつこし過ぎかな・・・」


流星がうなだれてる。


そん時、ちょうど予鈴が鳴った。


「もう授業やん！はよ戻らな！」


康二に言われて、慌てて着替え出す。


とも、俺のシャツ、
そのままボタンしめてもうたから。

俺はとものシャツを着ることにした。


ともの甘い匂いがして、にやける。


「流星、大丈夫か？
俺で良かったら相談乗るで？」


康二、優しいとこあるやん。


「康二に相談してもな・・・
恋愛経験あるん？」


「うっ・・・
話ぐらいは聞けるって！」


「ありがとう」


康二、ええヤツやな。



廊下に出たら、
小瀧、そこに突っ立ってたわけやけど。


ほっぺた真っ赤にしたまんま、
流星をチラッと見て、
ささっと目を逸らす。


これって、嫌ってるいうより、照れてる？


流星、いつもなら声かけるのに。

よっぽど落ち込んでんのか、


「康二、行こうや」


康二の腕引っ張って、歩き出した。


「お、おお・・・」


引きずられてる康二が、
俺らを振り返る。


小瀧、その様子をぼんやり見つめてて・・・


いきなり、ぐすって言うて、

廊下に蹲ってん。


「のんちゃん？どうした？」


ともが聞いてやっても、
小瀧のヤツ、膝におでこくっつけてて、顔見せへん。

泣いとるみたいや。


「のんちゃん、話聞くから。
部室行こか」


とも、優しいねんな。

こういうとこに、惚れるねん。


そんなことより。


小瀧、泣いてるってことはさ、
ひょっとしてひょっとする？


ともが、俺を見て、目配せしてくる。


もしかせんでも。

流星にも春が来るかもしれへんわ・・・

甘酸っぱい。１　→←５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す