Colorful Magic ２

奇跡に溢れた日々。１ ページ36

赤side


初詣に近所の神社行って、
おかんの作ったお雑煮食べて、
家族みんなで百人一首やって。

例年通りのお正月。


けど今年は、ともがおるから。


何気なく映ってた景色全てが、
光を纏ってるみたいに、
きらきらしてる。


ともも、うちの家族に溶け込んで、
めちゃめちゃ楽しそうにしてくれて。

連れて来て良かったなあって。


幸せな時間はあっという間に過ぎる。

三賀日の最後。


寮に帰るともを送って駅まで。


おかんの電チャリ借りればすぐやのに、
わざとゆっくり歩いてさ。

まだ離れがたい。


どんだけ一緒におっても、時間足りひんねん。


思わず、俺も改札抜けたら、
ともがびっくり顔してる。


「やっぱ寮まで送る」


「けど、遅なるし・・・」


「ともと一緒言うたら、親も許してくれるやろ」


「そやけど。
ええんかな」


「ともは俺とおりたないん？」


「おりたいよ・・・」


「じゃ決まり！」


うちの家族、

まさか俺らが、
こんな特別な関係やって、
疑ってもないやろな。

騙してるような罪悪感はあるけど、
引き離されるのだけは避けたいから。

今はまだ秘密にしておきたい。


電車に揺られてるうちに、
ともは俺の肩にもたれて眠り出した。


好きや。

何回も何回も思う。



学校の最寄駅に着いたら、
ちょうど実家から戻ったらしい小瀧と出くわした。


小瀧が傷付いた顔したから、
胸が痛む。

俺を好きって、ほんまなんかな。


「・・・神山先輩、重岡先輩、
明けましておめでとうございます」


「うん、おめでとう」


「今年もよろしくな」


口々に言うたら、


「はい。
よろしお願いします」


小瀧、もごもごって言うて、
逃げるように、寮へと走ってった。


その先に流星が待ってて。


「絵になる二人やな」


「うん。
二人とも雑誌から抜け出てきたみたい。
流星、街でようスカウトされるねんて」


「そんなん現実にあるん？」


「梅田とか行くとあるらしいで」


「へえ！
梅田って俺、行ったことない」


「嘘やん！なんで？」


「行く機会ないやん」


断言した俺に、
ともは、目をまん丸にしてさ。

あ、呆れられた？って思たら。

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