Colorful Magic ２

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「あ、いや。
俺はいいっす。
そろそろ帰らなあかんし」


「重岡くん、帰るなら車で送ってくで」


「悪いんで。
チャリあるし大丈夫っす」


穏やかに話してるように見えて、
大毅と淳太の間に、
ばちばち火花が散ってんの、
気付かん程、鈍感ちゃうしな。


困ったな・・・


二人には仲良して欲しいけど、
そんなん俺の勝手やんな。


めちゃくちゃ気まずい。

耐えられへんわ、こんな重い淀んだ空気。


限界思た時、
鍵が回る音がして。


「ただいまあ」


流星がやっと帰って来てくれた。





いつでも緩い空気感の流星のおかげで、
結局みんなでタルト食べて、
世間話に花まで咲かせた。

小一時間して、
大毅と淳太の二人は帰るって。


寮母さんに許可を得てる淳太は、
堂々と廊下を通って玄関から出れるけど、

大毅は相変わらず、
泥棒みたいに窓からこっそり。


ベランダまで見送る。

やっと二人きりなれた・・・


そう思た途端。

何の前触れもなく、
いきなりキスされた。


さっき食べた苺タルトの味がする。


それを消すように、
何度も何度も、重なる。

初めて、大毅の舌が滑り込んできた。

最初は、恐る恐るって感じで、
遠慮気味やったのに、

段々、荒々しいほどに深く深く求められる。

息も出来ひん。


「だ、い、き。
く、る、し」


胸押して離れたけど・・・


「とものせいやろ」


大毅のものとは思われへん低い声で、
一言、呟いただけで、また唇を奪われた。


乱暴やのに、
矛盾するように、
大毅の愛情感じる。


全身で俺を好きって言うてくれてんの、
伝わるねん。


くらくらして、立ってられへんなりそう。


ぎゅっと大毅の首にしがみついたら、
唇が離れて。

耳元に、深い、ため息が聞こえた。


「大毅、怒ってんの？」


「怒ってへんけど、妬いてる」


はっきり言うてくれて、きゅんってなってまう。


「嬉しい」


「なんでやねん、俺は苦しい」


「ごめん。
なんで妬くん？
淳太とはなんもないし、
俺が好きなんは大毅やのに」


「それは分かってるけど。
今の俺は中間さんみたいに大人ちゃうし、
あんなごっついタルトも買うてあげられへんしさ。
ともと中間さんには、俺の知らん歴史があるし」

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