Colorful Magic ２

恋人たちの季節。１ ページ25

緑side


クリスマスの２５日。

連絡もなしに朝帰りした大毅は、
親にこっぴどく叱られたらしいて、

冬休み、外出禁止になってしもてん。


大毅の親は、
女の子と良からぬ事をしたと勘違いしてはるみたい。

良からぬ事したんは、
事実やねんけどな。


けど、ほんまは、なんで悪いんか分からへん。


寮の公衆電話から、大毅の家に電話をかける。

もう、番号覚えてもうた。


そう！

俺は寮生やから当然やけど、
大毅、自宅生やのに、携帯持ってないねんで。


学校で禁止やのに必要ないて、
両親が言うねんて。


「もしもし、とも？」


俺からって分かってるから、
すぐに大毅が出てくれる。


「大毅。
何してた？」


「ともんこと、考えてたで？」


「ほんま？」


「もうずっと考えとる。
とものことだけ」


「どんなこと？」


「それは・・・
えっと、・・・
まあ、なんていうか、」


「あ、黙った！
さてはやらしい事やな？」


「・・・バレたか」


「大毅、めっちゃ、えっちやもんな。
みんなが知ったら、ビックリすんで」


下ネタ含む恋愛話になると、
大毅、会話に入らへんからさ。

クラスメイトも部活のメンバーも、
大毅はこの世で一番草食な男子高校生ぐらいに思ってる。


「そんな顔、好きな子にしか見せへん」


無意識に、きゅんてなる事、言うから。


電話越しの甘い声。

余計に切なくなる。


「会いたいな・・・」


思わず、我慢してた一言、こぼしてしもた。


「ごめんな、とも。
寂しいな？」


「ごめんっ。
元は俺が悪いねんし。
イブの日、大毅にそばにおって欲しかったから」


「それは俺もおんなじやもん。
わざと終電乗り遅れてんから」


「わざとやったん？」


「バラしてもうた。
なあ、とも。
大晦日の日、こっちまで来れる？」


「え？」


「親に友達泊めてええか聞いたら、
男の子ならええよってすぐOK出た」


「ほんまに？」


「うん。
女子と出かけられんの怖いみたいでさ。
男友達、家に連れて来るんならええって！」


ほんまは、友達とは違うねんけどな・・・


認めて欲しいなんて、贅沢な事、今は置いといて。


会えるってだけで嬉しい。

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