【黒バス】俺らキセキの世代とは違うんだけど④ (ページ41)

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柳色と飴色6 ページ41

【No side】

「もうこの試合で師表の対決は見れねぇーな」

「そりゃそうだろ…だってもう残り数秒だぜ？」

そんな観客の何気ない会話は、観客席から試合を見ていた橙沢の耳に届いた

橙沢「…もしかしたら見られるかもしれないのに」

福井「はっ？」

橙沢「…だって今戦ってる師表…俺の幼馴染ですよ？どう考えたって普通の結果にはならないです」

劉「思惑師はまだ何か考えてるってことアルか？」

橙沢「その可能性の方が…高いと思いますよ」

＿＿＿

審判「ワンショット！」ピッ！

会場全体がシンとした…1mmでも動けばわかってしまうくらいに

木吉「ｼｭｯ))」

＿＿＿ｶﾞｺﾝｯ！))

木吉が放ったボールはリングに当たり、リバウンドに備えていた5人が一気に飛びついた

若松、青峰、柳浜、飴宮、火神…この5人の中で一番跳躍に優れているのは…

萩本「(火神君…！！)」

火神はそのままゴールに向かい、ボールを叩き込む…

青峰「ﾊﾞｼｯ！))」

「「！！」」

寸前で青峰に止められ、ボールは反対側のコートへと飛んでいってしまう

柳浜「(っしフリー！！)」

一番先にボールに辿り着いたのは柳浜

柳浜は青峰が弾くと確信し、飴宮よりも先に走り出していたのだ

そしてボールが柳浜の手に収まる直前＿＿＿

飴宮「前にも言っただろ…“全て思惑通りだ”って…！！」

＿＿＿ﾊﾞﾁｨｯ！))

「「！！」」

柳浜「！？
(まさか峰ちゃんが弾くことも読んどったんか…！？敵を信じるとかそんなこと…！
…いや…相手は思惑師や…何を考えとっても普通やんな)」

奇術師と思惑師は目を合わせて見合い、一瞬の硬直が訪れた

その時柳浜の目に映ったのは、明らかにオーラの違う思惑師の姿…

柳浜「！！…そんな…まさか…！」

飴宮「悪いけどお前に構う時間はないよｼｭｯ))」

ハーフコートより後ろ…つまり、ゴールから遥かに離れた位置にいた飴宮と柳浜

だが飴宮は、なんの戸惑いもなくその場でシュートを打った

桃井「(飴宮君の限界はハーフコートまでじゃ…！？)」

味方さえもそのシュートに驚いていた

だが誰よりも驚いていたのは、目の前にいる奇術師

空中でボールが弧を描いている時間がとても長く感じられたが、ボールがネットを潜った瞬間、待っていたかのように試合終了のブザーが鳴り響いた

ピーーーッピーーー！！

審判「試合終了(タイムアップ)！！」

勝利を掴み取ったのは、誠凛高校だった