柳色と飴色3 ページ38
【萩本side】
それから、試合の流れには変化が見えた
降旗「なんか…スピード速くなってないか…？」
そう、試合がどんどん速くなっているのだ
こうなっている理由はいくつかあるけど、桜太が何も合図を出してこないということは誠凛不利ではないのだろう
萩本「大丈夫だよ。桜太の顔色はまだ1mmも変わってない。ただ気になるのは…」
青峰君の雰囲気が変化し始めていること…
！！
飴宮「ｸｲｯ))」
柳浜「なっ！？
(フェイク！？普通のシュートモーションやったやんけ…！！)」
ﾄﾞﾝｯ！))ピーーーッ！ 審判「プッシング！
今、桜太は恐らく“ファウルを誘った”…
柳浜君の次の動きを読んだんだと思う…
そして今の桜太の位置は3Pライン…
萩本「3点プレー…！」
これを決めれば…3点差になる！
柳浜「すみません…！」
今吉「さっきのはしゃーないわ。わかっとるやろうけど間違っても落ちることもないやろうし、逃げ切るしか選択肢はあらへんからな…」
シューターは桜太だし、万が一にも外れることはない
ただ…
萩本「青峰君がリバウンドセットから外れた…！」
リバウンドに備えていたのは、若松さんと須佐さん、柳浜君の3人だった
柳浜君がいる時は須佐さんでなく青峰君の3人だったのに…！
青峰君の性格上、恐らく意図があって自分から外れたんだろう
嫌な予感が頭をよぎる
ﾊﾞｼｭｯ))ピーーー！！
「3点とも決まったー！！」
予想通り桜太のフリースローは全て決まり、いよいよ3点差まで追い上げた
のはいいんだけど…
萩本「青峰君の周りの空気が変わった…！」
今吉先輩が青峰君にパスを出す
だが、気づいた時には既にボールはネットを潜っていたのだ…火神君との1on1状態にもならずに
やっぱりこの感じは…
萩本「ゾーンに…入った…！」
河原「なぁ萩本、ゾーンって…」
萩本「ゾーンは、余計な思考や感情が全て無くなってプレーに没頭する極限の集中状態のこと。選ばれた人しか入れない領域で、毎回入れるわけでもないの」
そんなゾーンだが、青峰君の力を持ってすれば自分から入れるってことだ
本来、試合で100%の力を出すのは不可能であり、どんな一流選手でもせいぜい80%が限界
でもゾーンはその不可能を可能にする
つまり…
萩本「これが…青峰君の本当の力…！」
火神君でも反応しきれない…このままじゃ＿＿＿
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作者名：湊 | 作成日時：2020年8月1日 19時
