青色と柳色4 ページ29
【萩本side】
引けば負ける3Pの打ち合い
桜井君の負けず嫌いは日向先輩に火を着けたようだ
そして第一Q終了まで残り6秒
点差は3P一本分
でもそこで黙っていないのが…
萩本「黒子君…」
柳浜「…ﾌｯ
(成る程なぁ…)」
萩本&飴宮「「！！」」
何…この悪寒…！
飴宮「…気づかれた…かもな」
萩本「でも気づかれたところで、条件さえ満たせば使えるあの技を止める手立ては、今の桐皇には…」
“ない”
そう言いたかったけど…何か引っかかる…
この違和感…嫌な予感は何…？
飴宮「…“占い”には当たりと外れがある」
「「！」」
飴宮「当たればラッキー、外れてアンラッキーなのは、“当たりの未来、嬉しさ”がわかるから。だから悔しがるってだけ…今、水樹以上に有能な予知能力はないんだから、水樹の思うように言えばいいよ」
萩本「！…うん」
自信持たないとね…
こんなこと緑間君が聞いたら何というか…
飴宮「…ﾎﾞｿｯ今は…それしかないから」
______in桐皇ベンチ
【No side】
桃井「柳浜君は…気づいてるよね？」
柳浜「当たり前やん？あの技に条件があることさえ掴めば、後はそのプレーを何度も脳内再生すればええ。単純なことや」
それを単純と言えてしまうところが、奇術師がどれだけ凄いかを物語っている
柳浜「あのドライブは、黒ちゃん1人では完成しない。
まず黒ちゃんは人の視線を読み取る能力で、相手が目で追いづらい角度である斜めにダックインする。すると特殊な目を持たん人間は黒ちゃんを追えず、“人間が目の前から消える”っちゅう構図が出来上がるんや」
いつになく笑みを浮かべながら話す柳浜に、桐皇は軽く困惑していた
特に桜井は、ポカンとしながら聞いている
桜井と柳浜は、それ程仲がいいわけではない
お互いに嫌っているわけではなく、ただ話さないだけだ
だが桜井は、密かに柳浜のことを尊敬していた
柳浜「この場合は火神の存在感が群を抜いとるやろ。その“群を抜いた存在”に視線を誘導すれば、このドライブは完成する。例えこれが宮ちゃんでも、群を抜いた存在感の味方さえおれば、
そう言った柳浜は、飴宮に視線を移したのだった
緋花「…流石ねぇ…こんなに面白い技を身につけるなんて」
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作者名：湊 | 作成日時：2020年8月1日 19時
