【黒バス】俺らキセキの世代とは違うんだけど④ (ページ3)

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藍色と飴色1 ページ3

【萩本side】

最初は…ただ不器用な先輩だった

______回想

萩本「よいしょっ」

スポドリの入った籠を持ち上げると、普段持っている鞄とは比べ物にならないくらいの重さだった

今日は入部して初めて三年生がいない日

とは言っても全国模試だから、終わったら部活に来るみたいだけど

いつもは瑠璃先輩と籠を運んでいるけど、瑠璃先輩がいないから私が一人で運ぶことに

けど思ったより手間取り、さっさと運んでしまおうと籠いっぱいにボトルを詰め込んだのだ

それにしても重いな……けど、これも選手を支えるため…！

早く仕事に慣れないと…！

萩本「っと…わ！？」

歩いていると、何かに躓いてしまったらしく身体が傾いた

まって、このままボトル持って倒れたりしたら______

？「おい大丈夫か？」

地面とご対面することのなかった私の身体

そして頭上からは、少しトゲがあるけどどこか優しい声…

萩本「は…なみや先輩…」

私を支えてくれたのは花宮先輩で、ついでに籠も支えられていた

萩本「す、すみません今離れます…！
先輩、手とか怪我してないですか！？」

花宮「いや、大丈夫だ」

思えば、しっかり会話したのはこれが初めてだったかもしれない

______

それからというもの、花宮先輩は私の中では“不器用な優しい先輩”という位置づけだった

実際何度も助けられたし、間違ってはいないのだ

少し壁を作っていたけど、6月に入る頃にはすっかり心を開いて、慣れて話していた

だから信じられなかったんだ…

花宮先輩の行った行為______“ラフプレー”のことが

______回想終了

飴宮「______水樹！！」

萩本「！！…ごめん、ボーッとしてた…何？桜太」

飴宮「ったく…もう試合始まるから」

萩本「あ、うん」

なんで思い出したんだろう…

試合に情なんて持ち込んではいけない

だから思い出さないように…してたのに

…いや、この行為がもう思い出そうとしていたのかな

昨日、日向先輩に聞いた時に思い出したのだ…“あのこと”を

花宮先輩の策略なんてわからない

だからこそ、私がちゃんとしないと…！